シー社の株価は14日に22%下落。会長で最高経営責任者(CEO)のフォレスト・リーの資産は約6億4300万ドル減少し、22億ドルとなった。最高執行責任者(COO)のガン・イエは約3億5200万ドルを失い、資産は17億ドルになった。3人目の共同創業者であるデビット・チェンはすでにビリオネア(保有資産額が10億ドル以上の富豪)の地位を失っている。
シー社の第3四半期の売上高は33億ドルで、前年同期に比べて4.9%増加したが、純損失は1億4400万ドルで、3四半期連続の黒字から赤字に転落した。同社の総収入の約3分の2を占めるショッピーの売上高は前年同期比16.2%増の22億ドルだったが、伸び率は過去最低にとどまった。
「新規のプレイヤーの参入によって、当社の市場における競争は激化している」とリーは決算説明会で述べた。
シー社の主要な収益源で、同社のEコマースとデジタル金融サービスでの事業拡大を後押ししたゲーム部門の売上高は前年比33.7%減の5億9200万ドルに落ち込んだ。一方、デジタル金融サービス部門の売上高は前年比36.5%増の4億4600万ドルに増加した。
Shopeeは、アリババのLazadaやバイトダンスのTikTokのようなライバルとの継続的な競争に直面している。また、新たな対抗馬として、中国のEコマース大手PDDが運営する「Temu」が、8月にフィリピンでサービスを開始した。
グーグル、テマセク、ベインが共同で作成した報告書によると、東南アジア全域のEコマースの流通総額(GMV)は今年、前年比6%増の1390億ドルに達する見通しだ。さらに、2025年までに16%増加して1860億ドルに達すると予想されており、新規の参入企業が急速に成長し、驚異的な速度で市場シェアを獲得する中で、既存の市場のリーダーは、市場シェアを守るために「利益の再投資を開始する意思を表明している」と、この報告書は指摘していた。
シー社の株価は、新型コロナウイルスが流行していた2021年、一時的に世界で最もパフォーマンスの良い銘柄となっていた。同年にはインドネシアでデジタルバンクを立ち上げるなど、決済部門SeaMoneyを通じてフィンテック関連の事業を拡大。しかしその後、コロナ禍の余波や利上げの影響により、同社の株価は2021年11月のピーク時から90%近く下落した。
(forbes.com 原文)