AMRは生産性を向上させ、倉庫業が悩む人員不足を補う役目を果たす。だが、物流業界の幹部には、このようなシステムを使って仕事をしたことのある人はほとんどいないため、倉庫内AMRが人間とどのように仕事をするのかについての誤解があるようだ。
Lucus Systems(ルーカスシステムズ)のマネージャー、ジェームス・ハートによれば、AMRは、商品の選別、人間への手渡し、ロボット追従、移送、パレット全体の移動など、さまざまなタイプのピッキングに対応しなければならないため、一種類のロボットだけで全てを賄うことはできないという。Lucus Systemsは、音声によるピッキングソフトウェアなど、物流倉庫のパフォーマンスを向上させるためのソリューションをいくつか提供している。ハートは「DC(配送センター)で、すべてのプロセスで満足できるように最適なロボットを配備するには、異なるプロバイダーの異なるAMRが必要になる場合があります」と指摘する。だがこれは控え目な表現だ。実際、AMRベンダーでこれらすべての異なるピッキングモードに対応するロボットを提供できるところはないからだ。
場合によっては、倉庫管理システムでロボットを効果的に最適化できることもある。たとえば、倉庫に移送ロボットやフルパレット移動ロボットがある場合、倉庫管理システムはそれらをあたかも人間の労働者のように扱うことができる。倉庫管理システムにとっては、出発地から目的地への移動を指示するだけで、その作業をするのが人間であろうとロボットであろうと関係ない。
あるいは、倉庫管理システム自体は移動を管理するのに必要なロジックを持っていない場合もある。たとえば、(人間がロボットと一緒に移動する)ロボット追従型のAMRシステムでは、ロボットと人間の動きを協調させる。これを行うためには、倉庫管理システムの上で実行される別のロボット実行システムが必要になる。