暗号資産

2023.11.23

アルゼンチンの新大統領が「ビットコイン急騰」をもたらす可能性

11月19日大統領選で勝利したハビエル・ミレイ(Photo by Igor Wagner/picture alliance via Getty Images)

南米アルゼンチンでは11月19日、経済のドル化や中央銀行の廃止といった過激な抜本改革を訴える右派のハビエル・ミレイ下院議員が、大統領選で勝利した。これを受け、アルゼンチンがエルサルバドルと同じ道に進み、ビットコインの価格を急騰させるかもしれないとの憶測が浮上している。

ビットコインテクノロジー企業Jan3のCEOで、エルサルバドル政府のビットコイン導入のアドバイザーを務めたサムソン・モウは、20日のX(旧ツイッター)の投稿で「また別の国が、想像よりも早くビットコインを採用する可能がある」と述べた。彼は以前、メキシコがビットコインを採用する可能性のある国の「リストに入っている」と述べていた。

ビットコイン開発者でウォレットアプリCasaのCTOを務めるジェイムソン・ロップは、Xのフォロワーたちに「この動きは、ビットコインを国家が採用するための新たなドミノ倒しになると思うか?」と問いかけた。ミレイ議員の勝利を受けてビットコインの価格は急騰し、2022年5月以来の高値に上昇した。

アルゼンチンの政治体制を「爆破」し、中央銀行の解体や経済のドル化を約束したミレイは今年初め「ビットコインは、本来の価値の創造者である民間セクターにお金が回帰していることを象徴している」と述べていた。

暗号資産運用会社グレイスケールの研究者は、20日のレポートでミレイが「アルゼンチン経済が暗号資産を広く受け入れる道」を開き、そのことがインフレや金融不安という長年の問題に対する潜在的な解決策となる可能性があると指摘した。さらに、ミレイは「ビットコインが中央集権的な金融システムの非効率性と腐敗に対抗するための重要なツールであり、伝統的な経済構造に対する実行可能な代替案になると考えている」と付け加えた。

この分野の他の専門家たちもミレイの当選がビットコイン価格にとって「プラス」であり、普及を加速させる可能性があると予測した。

暗号資産関連企業Lednの共同創業者のマウリシオ・ディ・バルトロメオは、The Blockの取材に「アルゼンチンでは、ビットコインや暗号資産がすでに問題を解決しているが、ミレイの大統領就任によって、その普及が加速する可能性がある」と語った。

「ミレイは、アルゼンチン経済をドル化しようとしており、法定通貨法の廃止も計画している。これにより国民は日常的に使用する通貨をドルにするか、デジタル資産にするかを自由に選ぶことができるようになる」とバルトロメオは付け加えた。

さらに、暗号資産の融資プラットフォームYouHodleの市場主任のルスラン・リエンカはThe Blockに「ミレイの勝利は、長期的にビットコイン価格にとってプラス要因になる」と語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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