ヘルスケア

2023.11.23 15:30

孤独は「1日15本の喫煙」に相当する健康への脅威

もちろん、孤独の蔓延の渦中にあるのは世界で米国だけではない。たとえば、2018年に私がフォーブスに書いた記事は、英国が孤独担当大臣を任命した経緯を紹介している。そして、もしあなたがグーグルで「なぜ[ここに国名を入力]の人はそんなに孤独なのか」と検索すれば、さまざまな国における孤独の状況を記述した記事やウェブサイトがたくさん見つかるだろう。2015年にジョン・デビッド・リッツがViceに書いた「なぜスウェーデン人はそんなに孤独なのか?」は、そんな記事の1つだ。また、オーストラリア政府が運営するウェブページには、「オーストラリア人における孤独は、新型コロナウイルス感染症パンデミック以前からすでに懸念されていた問題であり、『流行病』であると同時にオーストラリアで最も差し迫った公衆衛生課題の1つである」と記載されている。

米国公衆衛生局長官のマーシーは、アフリカ連合青少年特使のチド・ムペンバと共に、11名からなる「社会的つながりに関する委員会」の共同議長を務めている。この委員会には、米国からカレン・デサルボ医師およびハーベン・ガーマ法務博士、日本から加藤鮎子大臣、バヌアツからラルフ・レゲンバヌ大臣、モロッコからカリッド・エイト・タレブ医学博士、スウェーデンからヤコブ・フォルスメド大臣、パキスタンからヒナ・ジラニ弁護士、ケニアからクレオパ・マイル医学博士、チリからヒメナ・アギレラ大臣がそれぞれ参加している。

この委員会には困難な仕事が待ち受けている。孤独の蔓延は、長年のネグレクト(放置)から生じた複雑な系統的問題だ。数十年もの間、人々の内外に存在する社会的つながりの悪化を引き起こす要因や変化に対して、社会は適切な対応を取ることに失敗してきた。つまりこれは、単純で簡単に解決できる問題ではないことを意味している。同委員会は世界の数多くの意思決定者と共に、世界中の人々の間に真の社会的つながりを作るため、現在起きていることを、点と点で結びつけていく必要があるだろう。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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