「日本でも、D&Iの“D”の部分はかなり進んできている。問題は“I”のほうだ」
10月31日、日本最大規模の女性アワード「Forbes JAPAN WOMEN AWARD」の授賞式に登壇したForbes JAPANファウンダーの高野真は、冒頭挨拶でこう投げかけた。
“I”すなわちインクルージョンとは、ジェンダーや考え方が異なる人を受け入れるカルチャーづくりのこと。それぞれの個性を認め、一体感をもって活動することが重要とされる。政府が掲げる女性管理職比率30%以上を達成している会社は、ダイバーシティを実現しているといえるだろう。だが、インクルージョンの実現は、すでにカルチャーができあがっている大きな企業では難しいといわれる。
「しかし今回の受賞企業を見ると、ダイバーシティだけでなくインクルージョンの部分にも進化が感じられた」
日本ベンチャーキャピタル協会の理事も務め、業界のD&I推進を主導してきた高野は、こう言って日本の企業社会への期待感を示した。
今回で開催7回目を迎えた「Forbes JAPAN WOMEN AWARD」。授賞式では企業部門、個人部門の受賞者が一堂に会し、各受賞者の表彰と受賞スピーチ、受賞者と審査員によるトークセッションが行われた。授賞式の様子はオンラインで配信され、多くの視聴者から「とても勇気づけられた!」とのコメントが寄せられた。
企業部門では今年、調査対象を1905社に拡大。「ダイバーシティ」「労働環境」「人的資本開発」「パフォーマンス」の4カテゴリを軸に、東証プライム上場企業および本アワードへのエントリー企業のスコアを算出し、ランキングを作成した。企業の開示情報をAIで解析するという手法を用いたことにより、広範な企業を対象としながらも公正かつ精緻なスコアリングを実現した。
また、アワードへのエントリー企業を対象とした企業特別部門では、社内の女性活躍推進のために大きなアクションを起こしたチームや、女性登用を進めたことで生産性向上と成長につなげた事例などを評価。今年は2社が「ポジティブアクション賞」を受賞した。
女性管理職比率向上や女性育成に力を入れている企業はもちろん、女性だけでなく男性も働きやすい全社での環境整備や意識改革に努めている企業が高い評価を得ることとなった。
受賞した企業は以下の通り。
企業部門|総合ランキング
1位:資生堂2位:コクー
3位:リクルートホールディングス
4位:ネクストビート
5位:ファイザー
(11月25日発売『Forbes JAPAN』にてTOP50のランキングおよびスコアを発表)
企業特別部門|ポジティブアクション賞
コカ•コーラ ボトラーズジャパン大東建託