2023.11.22

2024年、世界で最も安全な旅行先は? 日本が上位に浮上

カナダ・ケベック州の州都ケベック市(Shutterstock.com)

旅行先を決める際、安全性を何より重視する人は多い。イスラエルとハマスの戦争を受けた中東情勢や、米国務省が米国人向けに世界規模の渡航注意情報を出したことなどを考えれば、安全への配慮はいっそう重要になってくる。2024年の安全な旅行先選びに役立つ情報源の一つが、米旅行保険会社バークシャー・ハサウェイ・トラベル・プロテクション(BHTP)が9年連続で発表している報告書「SAFEST PLACES TO TRAVEL(最も安全な旅行先)」である。

この報告書は、世界で最も安全な国と都市をそれぞれランク付けしている。最新版で「最も安全な国」と評価された上位3カ国はカナダ、スイス、ノルウェー。「最も安全な都市」は米ハワイ州ホノルル、カナダ・ケベック州モントリオール、アイスランドの首都レイキャビクとなっている。

北欧の国や都市は安全性ランキング上位の常連だが、アイスランドは現在、注意が必要な状況だ。地震活動が活発化しており、ファグラダルスフィヤットル火山が近く噴火する可能性があるとして今月、当局が非常事態を宣言した。

もちろん、旅行における安全の定義はさまざまだ。テロが起きない場所であること、悪天候に見舞われても安全が確保できること、インフラが整っていて交通事故が少ないこと、有色人種やLGBTQ+(性的少数者)が安心して快適に旅行できることなどが考えられる。

BHTPでは今回、評価対象の国を直近5年間に訪れた旅行者1702人に調査を行い、第三者機関のデータと合わせて、テロ、天候による緊急事態、保健対策、社会的少数者の安全などの懸念項目を評価した。

第三者機関のデータは、「世界平和度指数」と米国務省の渡航安全情報に加え、旅行安全アプリ「GeoSure Global」が提供する各国主要都市のスコアも使用した。このスコアは、女性の安全、盗難、基本的自由、健康と医療などの要素に基づいて算出されている。

ただし、BHTPの報告書における評価は「予測」であり、自然災害に見舞われる可能性は考慮されていない。最新版の調査は今年8~9月に実施されたため、たとえば最近地震が多発しているアイスランドもランキング上位に入っている。

BHTPの安全性ランキングでは長くスカンジナビア諸国、欧州北部、オーストラリアやニュージーランドなどが上位を独占してきたが、今年はアジアから日本が、そして南米からブラジルが上位15カ国入りした。ブラジルは昨年のランキングでは42位だった。

BHTPの報告書の最新版で「最も安全な旅行先」に選ばれた上位15カ国と同15都市は、以下の通り。

2024年の旅行先として最も安全な国

1位:カナダ
2位:スイス
3位:ノルウェー
4位:アイルランド
5位:オランダ
6位:イギリス
7位:ポルトガル
8位:デンマーク
9位:アイスランド
10位:オーストラリア
11位:ニュージーランド
12位:日本
13位:フランス
14位:スペイン
15位:ブラジル

2024年の旅行先として最も安全な都市

1位:ホノルル
2位:モントリオール
3位:レイキャビク
4位:シドニー
5位:アムステルダム
6位:ドバイ
7位:コペンハーゲン
8位:ロンドン
9位:ソウル
10位:ベネチア
11位:東京
12位:ベルリン
13位:パリ
14位:バルセロナ
15位:オーランド

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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