JALが協業を発表したのは、ドイツのH2FLY(エイチトゥーフライ)、アメリカのUniversal Hydrogen(ユニバーサル・ハイドロジェン)、イギリスのZeroAvia(ゼロアビア)の3社。それぞれに特徴のあるアプローチで開発を進めている。
H2FLYは、2016年に同者が開発した世界初の有人水素電気飛行機HY4の飛行を成功させ、水素電気推進の実用性を示した企業だ。同機は今年、これまでの気体水素に代えて液体水素用タンクを備え、航続距離を2倍に延ばしている。
Universal Hydrogenは、今年はじめには、デ・ハビランド・カナダDHC-8を水素電気式に改装した世界最大の水素電気飛行機の飛行を成功させている。同社は、こうした既存の飛行機を水素電気式に改装するキットの販売に加え、どの空港でも水素が供給できる仕組みの整備にも取り組んでいる。
ZeroAviaは、2025年までに9〜19人乗り航空機に適した航続距離300マイル(約480キロメートル)の水素電気エンジンと、2027年までに40〜80人乗りの航続距離700マイル(1120キロメートル)の航空機に適した水素電気エンジンの供給を予定しているが、現在すでに2000件近い予約注文を受けている。また、水素電気飛行機のための空港の設備の整備も進めている。
これらの企業の技術やノウハウを日本で活かすための研究が、これから行われる。海外ではすでに水素電気飛行機の運用を視野に入れた空港の整備も始まっている。日本でも、思ったより早く、水素電気飛行機に乗れそうだ。
プレスリリース