『The Last of Us 2』リマスター版、新作がない開発会社の誤解を助長

JC Gonram / Shutterstock.com

ソニー傘下の米ゲーム開発企業Naughty Dog(ノーティードッグ)が、つい数年前に発売したばかりのタイトルを含む過去作品のリマスターやリメイクを繰り返していることは、ゲーム業界では繰り返しジョークの種になっている。この週末、2020年発売のPlayStation 4向けタイトル『The Last of Us Part II』(TLOU2)のPS5向けリマスター版が2024年1月19日に発売されることが明らかになると、こうしたリマスターの是非をめぐる論争が再び沸騰した。

確かに、ノーティードッグによる既存作品のリマスターは、これで4回目だ。過去には『アンチャーテッド』シリーズをリマスターした『アンチャーテッド コレクション』と『アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション』を発売。2014年には、PS3ソフトだったTLOU第1作目をPS4向けにリマスターした。昨年にはさらに、同作をリメイクした『The Last of Us Part I』を発売している。

リマスターが多いことは確かだが、これらの開発によってノーティードッグはその他の重要プロジェクトに取り組めていないという見方については、私は同意できない。同社の新作ゲーム発売ペースを見てみてほしい。

・アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝──2007年
・アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団──2009年
・アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス──2011年
・The Last of Us──2013年
・The Last of Us Left Behind──2014年
・アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝──2016年
・アンチャーテッド 古代神の秘宝──2017年
・The Last of Us Part II──2020年

これはAAAタイトルを手がけるスタジオとしては超特急のペースであり、ノーティードッグが長年にわたりクランチ(長時間の残業をともなう過酷な労働)で非難されていることを考えると、やり過ぎだともいえる。リマスター版は通常、社内の別チームが担当しているとはいえ、上記にリマスター4作品を加えると、かなりの数になる。
次ページ > 長く新作がない原因はソニーのライブサービス戦略に?

翻訳・編集=遠藤宗生

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事