執筆支援AIを提供するWriterBuddy.aiが発表した報告書によれば、AIはオンライン上の「どこにでも存在する力」であり続けている。AIを基盤としたウェブサービス上位50サイトの合計訪問数は、2022年9月~23年8月の11カ月間で計240億回を超えた。驚くべき点は、この1年間の訪問数の飛躍的な伸びだ。今年8月の月間訪問数は28億回を記録し、調査開始月である昨年9月と比べて26億回も増えている。
調査結果は、AIツール分野におけるChatGPTの際立った優位性を示している。ChatGPTの訪問数は11カ月間で146億8000万回に上り、他の49サイトを圧倒した。一方、Character.ai、グーグルのBard、Perplexity AIなどの新興サービスは、チャットボット市場における月間訪問数の18.69%を占めている。AIチャットボットツールは各種ツールの中で最も人気が高く、合わせて190億回余りの訪問を集めた。
ChatGPTを開発するOpenAIは、独自のAIチップの製造を検討中だと報じられている。同社はサム・アルトマン、イーロン・マスク、ピーター・ティールら有名投資家が2015年に創設した研究組織だ。今、半導体メーカーはAIのデータ処理ニーズに対応する専門ソリューションの提供を通じて爆発的な成長を遂げている。たとえば、米半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の株価はこの半年で68%近く上昇。時価総額は12兆1000億ドル(約180兆円)に達し、メタやテスラ、バークシャー・ハサウェイを上回る。
米投資週刊誌バロンズの報告によると、OpenAIの評価額は約800億~900億ドル(約11兆9700億~13兆4700億円)。アルトマンは、2023年の売上高が10億ドル(約1500億円)に達する見込みだと述べた。同社はChatGPTの高度な機能を企業や個人のユーザーに有料で提供し、主な収益源としている。OpenAIの技術を他の技術の下支えやOEMモデルとして利用したい企業も、大きな収益源となっている。
WriterBuddy.aiの報告を見ると、ChatGPTは利用分野別でも圧倒的なシェアを誇る。オンライン統計データベースのスタティスタによれば、ChatGPTの平均利用時間は30分。米国、インド、ブラジルで特に人気が高いが、これは検索トラフィック全体の動向を反映している。モバイル端末からのアクセスが約60%で、ユーザーの約75%が男性だ。
ChatGPTはAI覇権競争の先頭を走り続けている。今回調査対象となった他の49社は、それがいつまで続くのかを知りたいことだろう。ChatGPTだけが唯一の選択肢ではない。けれど、ほとんどの人が利用しているのはChatGPTである。
(forbes.com 原文)