フォースタートアップスとCIC Tokyoはこれまでもスタートアップ支援の大規模イベントを共催しており、今回が4回目。渋谷では初の開催となった。オンライン・オフラインのハイブリッドで、トークセッションやピッチイベント、ネットワーキングが繰り広げられた。開会の挨拶には、フォースタートアップス代表取締役社長の志水雄一郎氏、A.T.カーニー日本法人会長でCIC Japan会長も務める梅澤高明氏、渋谷区長の長谷部健氏が登壇。梅澤氏はGRICが「グローバル」をテーマのひとつに掲げていることに触れ、次のように話した。
「日本のスタートアップがグローバルに向けて活動していく意味は3つ。1つ目は、海外市場を狙うということ。政府による『スタートアップ育成5か年計画』、経団連による『スタートアップ躍進ビジョン』で掲げられている投資金額の増加やユニコーン企業の量産といった目標の達成には、国内だけでは潜在市場が足りない。2つ目は、海外人材を迎え入れて多国籍のチームをつくり、世界基準の経営をできるようにすること。3つ目はトップティアのVCをはじめとする海外投資家からの投資を呼び込むこと。グローバルなネットワークを駆使した、事業展開のサポートを受けられる。市場、人材、お金の3つの軸でグローバル化を志向してもらいたい」
また長谷部区長は、「いま、渋谷は海外の方が多く訪れている。観光だけでなく、ビジネスが目的の方も増えている。日本にとどまらず、世界中から人が集まって混じり合い、新しい価値や文化を生み出しているなかで、スタートアップはその大きなエンジンのひとつ。渋谷から世界へ羽ばたく企業を応援していきたい」と、渋谷区としてスタートアップ支援に力を入れていくと意気込んだ。
トークセッションは、「日本発ユニコーン輩出に向けて」「世界をリードするスタートアップエコシステムの創出に向けて」といった、スタートアップ産業の成長に関するあらゆるテーマで実施。オンライン・オフライン合わせて40を超えるセッションが催された。登壇者は国内外の有力起業家・投資家をはじめ約150人を数え、前スタートアップ担当大臣の後藤茂之衆議院議員、大阪府の吉村洋文知事などの政治家、日本たばこ産業（JT）取締役会長の岩井睦雄氏、リクルートホールディングス代表取締役会長兼取締役会議長の峰岸真澄氏、LVMH Group CIOのFranck Le Moal氏などの国内外のグローバル企業の経営者も登場。政財界の垣根を超えた多彩な顔ぶれとなった。「GRIC PITCH」と題したピッチイベントには、31社のスタートアップが参加。「GREEN」、「HEALTHCARE & WELLNESS」、「NEW LIFESTYLE」、「UPRISING DIGITAL」という4つのテーマに分かれて各社がプレゼンを行い、VCなどの投資家をはじめ国内外から集まった140人以上の審査員によって、世界を舞台に成長できるか、その事業可能性を見極められた。
