「Letter to America(アメリカへの手紙)」と題されたこの手紙は、2002年に初めて公表されたもので、ハッシュタグ#lettertoamericaを通じて広まっている。9.11テロの首謀者とされたビンラディンは、この手紙で米国人やイスラエル人、ユダヤ人に対する暴力を呼びかけ、反ユダヤ主義的陰謀論を推進し、同性愛を非難している。
このハッシュタグは、11月15日に200万ビューを突破したが、16日のこの記事の公開時点には、その6倍以上の1390万ビューに達していた。TikTokは、このハッシュタグのトレンド入りを否定しており「動画の数は少なく、当社のプラットフォームでトレンドになっているという報告は不正確だ」と広報担当のアレックス・ハウレックは述べている。
彼は、この問題はTikTokに限ったことではないと付け加えた。X(旧ツイッター)では、15日に「ビンラディン」が「アメリカへの手紙」とともにトレンド入りしていた。
TikTokのクリエイターたちは、イスラエルとガザにおける現在の戦争に照らしてこの手紙を読み直しており、9.11が実際にテロ行為だったのかについて、疑問を持つようになったと語っている。
多くのユーザーがこの手紙を読んで、あの日米国が攻撃されたのは当然であり、それは米国がパレスチナや他のアラブ諸国を占領し抑圧していたからだと指摘している。彼らはまた、この手紙の最も入手しやすいリンクの1つである英紙ガーディアンの翻訳が、この物語を隠すために最近削除されたとも主張している。
「『アメリカへの手紙』を読んで、私はこの国を同じように見ることはないだろうと思うようになった。私が信じ、生きてきた人生全体に対する視点が変わった」とクリエイターのキアーナ・レラックス(Kiana Leroux)は100万人を超えるフォロワーたちに語った(彼女の動画は16日に削除された模様だ)。
別のクリエイターのアレッシア・フランチェスカ(Alessia Francesca)は、25万回以上再生されている動画の中で「私は、米国が9.11が理由でビンラディンを殺したとは思わない」と述べている。彼女は、ビンラディンが人々の目を米国とイスラエルによるパレスチナの人々に対する不法な占領に向けさせようとしたことが理由で殺害されたと主張している。