『ホグワーツ・レガシー』と『Starfield』がゲーム賞で総スカンを食らった理由

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ホグワーツ・レガシー

『ホグワーツ・レガシー』も同じく、今年数多く発売された良作ゲームの中に埋もれてしまったことが問題の一因となった。さらに、発売時期は『Starfield』よりもずっと早かった。

しかしもちろん、原作となった小説『ハリー・ポッター』シリーズの作者J・K・ローリングがトランスジェンダー嫌悪発言を繰り返していることから、TGA関係者の多くが同作をどの部門にもノミネートしたくなかったことも考えられるだろう。『ホグワーツ・レガシー』の開発チームはローリングから距離を置くため、ゲーム内にトランスジェンダーのNPCを登場させるなど、あらゆる手を尽くしたが、それでも反発は抑えられなかった。

しかし、実際の事情はもっと複雑だ。仮にゲームメディアに『ホグワーツ・レガシー』に対する反感があったとしても、ゲームメディア各社によるレビューのスコアを集計する批評サイト「メタクリティック」で『ホグワーツ・レガシー』は84点という高い総合評価を得ている。同作が1部門にもノミネートされなかったことを、何らかの政治的な意思表示と決めつけることはできないだろう。

『ホグワーツ・レガシー』は発売直後に10億ドル(約1500億円)の売り上げを記録しており、今年最も売れたゲームになるかもしれないことは確かだ。しかし、各ノミネート作品をよく見た上で、このような年に同作がノミネートされるべきだった部門はどれなのかを考えてみてほしい。それはGOTYではないことは確かだ。今年は、同作よりもGOTY候補にふさわしいタイトルがさらに5本は存在する。

同作が分類されていたであろう「アクション・アドベンチャー」は最も競争が激しい部門で、『Alan Wake 2』『Marvel's Spider-Man 2』『BIOHAZARD RE:4』『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』『STAR WARS ジェダイ:サバイバー』がノミネートされている。筆者は『ホグワーツ・レガシー』を楽しめたが、それでも、同作がこれらの作品より優れているとは言えない。それ以外にノミネートの可能性があったとすれば、サウンド部門、あるいは音楽部門だろうか? ただこれも、競争の激しい今年は難しかっただろう。

『ホグワーツ・レガシー』がノミネートを逃したことに、巨大な陰謀があったとは思えない。ノミネートに反対する人が多かったのはわかるが、そうでなかったとしても、今年の賞レースで同作が入ってしかるべき部門は少ない。今年のノミネート作品は、単なる良作ではなく、傑作でなければならないのだ。『ホグワーツ・レガシー』がそうだとは言い難い。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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