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2023.11.24

機関投資家が注目するオルタナティブ投資の現状と展望 信託銀行と外資系運用会社のトップが語る

世界経済および金融市場の先行きが不透明ななか、高位な利回りと安定した運用が期待できる投資先として市場拡大が続くオルタナティブ資産。

市場の現状とともに、機関投資家における投資動向や期待について最前線に立つ3人に話を聞いた。


株式や債券など伝統的金融資産とは異なる特性を有する新たな投資先として、着実に資産規模を拡大させているオルタナティブ資産。

日本および世界の機関投資家におけるオルタナティブ投資の現状と期待について、三菱UFJ信託銀⾏専務執⾏役員 柏樹康⽣(上写真中。以下、柏樹)、三井住友信託銀⾏常務執⾏役員 前⽥⼤典(上写真左。以下、前⽥)、米大手運用会社ヌビーンの日本法人であるヌビーン・ジャパンの代表取締役社長 鈴木康之(上写真右。以下、鈴木)が語り合う。

インフレ・地政学リスクの高まりで大きく変わる投資環境


―まずは、機関投資家向けビジネスの概略から伺えますか。

前田 金融法人、学校法人、年金基金、公的共済といった幅広いお客様の属性や状態に応じたベストポートフォリオの実現を目指し、運用商品の組成・提供・管理やコンサルティングといった資産運用・管理に関するトータルソリューションを提供しています。

私どもは資産運用・管理残高に自己勘定投資を合わせた金額をAUF(Assets Under Fiduciary)と呼んでおり、2023年3月末時点で約480兆円ありますが、30年度に800兆円まで拡大させることを目指しています。

柏樹 私どもは、金融法人、学校法人、年金基金、公的共済など、さまざまなお客様の多様なニーズに応じたコンサルティング&ソリューション機能を提供しております。一例として、企業年金ビジネスでは、企業のお客様へ年金制度の設計やコンサルティング、資産運用・管理それぞれで専⾨性を磨き、⾼品質のサービスを提供していることを強みとしており、業界トップ水準のシェアを有するとともに、お客様アンケートでも高評価をいただいております。私どもは一連のクライアントサービスを通じて、お客様から高い信頼をいただきながら、長期的なパートナーとなることを目指しております。

まえだ・だいすけ◎三井住友トラスト・ホールディングス 執行役員、三井住友信託銀行 常務執行役員。1987年住友信託銀行入社。2012年三井住友信託銀行 年金運用第二部長、執行役員年金運用部長、執行役員年金企画部長を経て現職。

鈴木 ヌビーンは世界で約160兆円の資産を運用するグローバルアセットマネジャーです。伝統的資産だけでなく、オルタナティブ資産を含むさまざまな投資戦略を日本の機関投資家様へ提供しています。日本の機関投資家様は近年オルタナティブ資産への投資割合を増やしており、プライベート・キャピタル、不動産、自然資本(森林・農地)、インフラなど幅広い資産クラスに高いご関心をいただいております。また、伝統的資産とオルタナティブ資産を組み合わせたマルチアセットの戦略も注目されております。

―日本の機関投資家が抱えている運用面の課題についてどうとらえていますか。

前田 長く続いた金融緩和期には、株式、債券、不動産、プライベートエクイティといった多くの資産クラスで一様に価格が上昇してきましたが、インフレ⾼進に伴う金利上昇により環境は一変しました。また、米中対立に象徴される地政学リスクの高まりや、脱炭素社会の実現に向けた規制改正や巨額プロジェクトの始動などさまざまな観点で歴史的な転換局面を迎えています。こうしたなかで、資産運用においては金利上昇に伴う資産・銘柄間の格差やボラティリティの拡大に加え、世の中の不可逆的な変化も踏まえた戦略が求められています。

柏樹 金利変動への対応、株価下落リスクへの対応、資産間の相関上昇への対応が課題として考えられています。金利変動については、これまで主力だった為替ヘッジ付外債が欧米金利の急上昇により大幅なマイナスリターンになり、かつ国内でも金利上昇リスクが意識されていますので、金利変動を投資機会とするアクティブ商品が注目されています。株価下落リスクについては、これまで高いリターンを上げてきたグロース株や、集中投資の変動率の高まりから、ポートフォリオの安定性を高める動きが出てきました。また、資産間の相関上昇ですが、22年度は特に株式と債券が同時に下落する厳しい環境だったため、オルタナティブ投資のような伝統的資産との相関性が低い商品への関心が高まっています。

オルタナティブ投資は資産分散に不可欠な投資対象

―金利上昇を伴うインフレリスクや地政学リスクが高まるなか、オルタナティブ投資のメリットはどこにあると思いますか。

柏樹 オルタナティブ資産は伝統的資産との相関性が低いため、資産分散の観点からも重要な投資対象であると考えています。例えばインフラ・不動産は、インフレに連動する契約を結ぶことで、インフレ環境下でも安定したキャッシュフローが得られますし、ヘッジファンドは運用戦略が多岐にわたっており、収益源泉の多様化によるリターン向上、運用効率の改善が期待できます。一方、オルタナティブ投資は、投資案件によってパフォーマンスに格差が生じやすい環境となっているため、マネジャーの選別、セクターの選別や分散がより重要になると見ています。

前田 金利低下局面では株式、債券ともロング(買い建て)オンリーの戦略で十分な収益を得ることが可能でしたが、金利が上昇に転じ地政学リスクやインフレリスクも意識される昨今の環境下では、これまで同様の収益獲得は困難です。こうした局面においても多様な収益機会を創出できるのがオルタナティブ投資であり、伝統的資産との分散効果や、個別性・流動性に対するリスクプレミアムの存在なども考慮すると、ポートフォリオに欠かせないパーツであると認識しています。

―世界の機関投資家の投資動向、投資戦略の潮流はいかがでしょうか。

鈴木 オルタナティブ投資への関心は世界的に高まっており、理由はさまざまですが、まず、伝統的資産との相関性の低さが挙げられます。農地投資のリターンの源泉は農地のリース料や収穫物の売却益のため、伝統的資産から独立したリスク・リターン特性を維持できます。

インフラ施設への投資も、収益の基本となる施設利用収入はインフレに連動するため、インフレリスクへのヘッジ効果が期待できます。次に、オルタナティブ資産は流動性プレミアムが得られることも魅力です。伝統的資産に比べて流動性が劣るため、それに見合うだけの追加的な利回りの獲得が期待できます。そしてESGやインパクト投資に対する親和性もオルタナティブ投資の魅力といえるでしょう。わかりやすい例では、オルタナティブ資産の一部である自然資本への投資を通じて、環境や社会の改善に寄与することができます。農地投資により世界の食糧危機への対応の一助になり、また森林投資は気候変動の対策につながります。そのうえで、ポートフォリオの分散投資効果や、相対的に高位なリターンの実現期待もあり、世界中の機関投資家様からの注目度が高まっていると考えられます。

―ヌビーンが⻑期でオルタナティブ投資に取り組んできた理由をお聞かせください。

鈴木 金融危機以前はヌビーングループも運用資産の大部分を伝統的資産で運用をしておりました。その後さまざまな経済危機を経て、分散投資を通じて投資効率を改善するため、オルタナティブ投資の体制を強化し、リターンの向上に努めてまいりました。当社は、最終的な親会社であるTIAA(米国教職員退職年金/保険組合)の自己資金の運用も行っていることから、アセットオーナーとしてもリターンの改善を常に意識しております。アセットマネジャーおよびアセットオーナーという双方の視点に立ち、リターンの向上を図れることは当社の強みといえます。

オルタナティブ資産への投資は一般的に上場市場がなく、優良な投資案件へのアクセスは利害関係者との良好かつ密な関係性の構築や、投資実績が重要になります。インフラ施設の投資には長期売買契約の締結がリターンを左右するため、将来にわたる長期見通しをもった投資判断が必要となります。また、森林・農地への投資では持続可能な収穫、植林、作付けによりリターンが変わります。こうしたなかで、安定的かつ継続的に高いリターンの実現には、ノウハウや経験の蓄積が必要です。私どもはいち早くオルタナティブ投資の体制強化に着手したことで、私どもならではの付加価値を獲得できていると考えております。

日本、そしてグローバルにおける機関投資家の投資割合とは

―現状における機関投資家のオルタナティブ投資の割合、また、将来的な見通しについて伺えますか。

柏樹 私どもが毎年企業年金を対象に行っているアンケートによると、オルタナティブ資産の比率は約10~25%です。伝統的資産での収益獲得が難しいと考えている投資家様は多く、ポートフォリオのリターンを向上させるため、今後もオルタナティブ資産への投資比率は上昇していくものと考えています。公的年金でのプライベートエクイティ、インフラ、不動産などのオルタナティブ投資の合計額は約2.8兆円ですが、全体の⽐率で⾒ると約1.4%です。今後はこれが5%程度まで引き上げられる予定です。金融法人のオルタナティブ投資比率は1割前後と見ていますが、これも徐々に引き上げられていくでしょう。

前田 国内の企業年金を例に挙げると、現状のオルタナティブ資産の構成比率は約15%となっています。この比率は予定利率の引き下げや低金利を受け、株式リスクの削減と伝統的資産に代わる収益機会の追求が同時に進んできた結果です。

今後、金利上昇やインフレ率上昇といった市場サイクルへの対処としての観点に加え、社会課題解決に寄与するさまざまなプロジェクトへの資金需要に対する投資ニーズという両面からオルタナティブ資産の比率は徐々に増加していくものと考えています。

―世界で見た場合、機関投資家におけるオルタナティブ投資の割合はどうなるのでしょうか。

鈴木 ヌビーンでは、毎年グローバルの機関投資家様向けに意向調査を実施していますが、22年の調査結果では、機関投資家様の72%が「今後5年間でオルタナティブ投資の比率を引き上げる」と回答しています。関心の高い資産クラスとしてはインフラ、プライベート・キャピタルですが、関心度の上昇率で見ると森林や農地などの自然資本が最も高くなっています。

TIAAはすでに⾃⼰資⾦の多くをオルタナティブ資産に配分しています。ほかの機関投資家様の比率はわかりかねますが、おそらく保険会社や年金基金など長期投資が可能な機関投資家様を中心に、今後は15~30%程度をオルタナティブ投資に振り向けるのではないかと見ています。

―機関投資家向けに提案しているオルタナティブ投資、ならびに運用の特徴、独自性について教えてください。

前田 機関投資家の方々に多様な投資機会を提供するために、私どもの自己勘定による先行投資や、知見のある海外の運用者との業務提携も活用しながら、新しい投資領域に対する知見やトラックレコードの積み上げを図ることを常に意識しています。

22年度は、環境インフラ領域やオルタナティブ投資において世界トップレベルの実績をもつ運用会社との業務提携やファンドへの出資を行いました。お客様のベストポートフォリオを実現するために、自己勘定投資も活用しながら、機関投資家の方々に多様な投資機会をご提供すること、さらには、社会課題解決に必要な資金需要と投資ニーズをつないで双方にとってメリットがある仕組みを創造していくための取り組みであり、これが、私どもが目指している「資金・資産・資本の好循環」の具体的な姿です。

柏樹 私どもは海外の有力マネジャーとの連携を通じ、グローバルに優れたオルタナティブ商品を提供していますが、ゲートキーパーとしてこれまで培った高い目利き力とお客様への提案力は私どもの強みと考えております。また足元ではインハウスによるオルタナティブ商品にも注力しており、例えば、国内のプライベートエクイティへ投資するファンド・オブ・ファンズや、MUFGのグループ力を⽣かして運用している私募リートなどはお客様からも高い評価を得ております。

これ以外にも23年4月、MUFGグループが協働して本邦初のLBOローンファンドも設定しました。オルタナティブ投資はお客様のニーズや課題を解決する有力な手段ですが、私どもは同時に社会的課題の解決に貢献する視点も重要だと考えています。

鈴木 我々が提供しているオルタナティブ投資は、プライベート・キャピタルなど金融商品性の高いものから、インフラ施設、不動産などの実物資産、農地や森林地などの自然資本まで幅広く取り揃えています。オルタナティブ投資において最重要視しているのは、案件へのアクセス力です。オルタナティブ投資は伝統的資産とは違い、一度投資を実行すると、後になって投資案件を入れ替えるのが困難です。

したがって、いかに良い案件に、早期にアクセスできるのかが最も大事になってくるのです。そのためには、もち込まれる案件の数が重要なのはもちろんですが、それらを十分な時間をかけて分析し、最良の投資機会かどうかを特定する必要があります。そこに私どもの強みがあります。

関心高まるESG投資への対応とオルタナティブ投資の関係

―ここ数年、ESG投資に対する機関投資家の関心が高まっています。機関投資家によるESG投資の現状と重要視している点について伺えますか。

柏樹 機関投資家様におけるESG投資への関心は着実に広がってきています。安定したリターンの実現は最重要課題ですが、同時に巨額な運用資金をもっているアセットオーナーであることから、地球環境保全という世界的な重要課題の解決に対しても同時に対応できるESG投資に、期待と注目が集まってきています。恐らく、これから先もESG投資をめぐる投資機会は大きく拡大していくのではないでしょうか。


かしわぎ・やすお◎三菱UFJ信託銀行 専務執行役員、受託財産副部門長・アセットマネジメント副事業長。1985年野村證券入社後、野村ホールディングス 常務執行役員・欧州地域CEOなどを経て、19年退任。同年三菱UFJ信託銀行 常務執行役員、受託財産副部門長・アセットマネジメント副事業長に就任し、のち現職。

前田
 現状、多くの機関投資家の方々はESG考慮の必要性を感じつつも、経済的リターンに対する直接的な効果には未だ懐疑的です。今後、ESG要素と経済的リターンの関係性が明らかになるにつれて特定のインパクトへの着目やリスク管理に対する感度も変わっていくのではないでしょうか。また、オルタナティブ投資においては、社会課題解決に必要な国内の資金需要に応える投資機会を拡大していきたいと考えていますが、そのためには客観的・定量的なインパクト評価がますます重要になると考えています。

―パフォーマンスの側面からESG投資はどのような貢献をしているのでしょうか。

鈴木 実物資産や自然資本への投資では、ESGファクターの組み入れが必須です。例えばオフィスでは省エネ設備を備えた物件が人気で、より多くのテナントを集められるほか、リース料を高めに設定できます。また、低所得者向け住宅や外来患者向け病院など、貧困対策や医療費が高い米国における医療サービスの必要性などを鑑みて台頭してきた新しい不動産セクターへの関心も高まっています。

一方、農地投資ではどこから水資源を確保するか、という点も踏まえて検討します。私どもはより安定的に取水できる地下水に注目し、土壌の質を高めるため、栽培する作物を変えたり、定期的に休耕期を設けたりもしています。そのように持続可能な農業慣行を徹底することで、長期にわたり安定したリターンが実現します。これは一例にすぎませんが、環境・社会をよりよいものにするうえでESG投資は重要ですし、オルタナティブ投資を通じてESGに配慮した投資行動を行うことができます。

―最後に、長期的な目標やビジョンをお聞かせください。

前田 信託グループらしいビジネスを成長させつつ資金・資産・資本の好循環の実現を図るのが、私どもの長期的な目標・ビジョンです。社会課題解決に必要な巨額の資金需要に機関投資家様や個人の投資資金を結びつける結節点となり、社会的価値と経済的価値を両立させる経済活動を活性化させ経済・社会のパイを拡大させる役割を果たしていきたいと思います。

柏樹 私どもの長期的なビジョンは「安心・豊かな社会」をつくり出す信託銀行として、世界に選ばれる金融機関でありたいと考えております。資産運用の世界では、近年、投資対象資産は拡大し、運用手法は高度化・複雑化の一途をたどっています。また、ESGへの関心も高まり、お客様のニーズも多様化しています。

私どもはこのようなお客様のニーズに応え、資産運用を通じて、パフォーマンスだけでなく、社会課題の解決に貢献することや、社会の経済活動に必要な資金を供給するという、従来は銀行が中心となって果たしてきた役割を、本邦有数の資産運用会社として担っていきたいと考えています。

鈴木 私どもは伝統的資産だけでなく広範なオルタナティブ投資体制を整備しており、多くの投資家様のニーズにお応えできるように努めております。日本の機関投資家様のESG投資に対する意識は、世界的にみても高い水準にあります。オルタナティブ投資を通じて、リターンのみならず、環境的・社会的にプラスのインパクトを出せるような投資成果を実現していただけるよう、資産運用を行ってまいります。

すずき・みちのぶ◎ヌビーン・ジャパン代表取締役社長。 ニューバ-ガー・バーマン、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント、ピムコジャパンでマーケティング業務などを担当。2018年のヌビーン東京オフィス設立時より現職。



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