1962年シーズンの4リッタークラス対象レースが終了すると、この車両はフェラーリによって売却された。その時、顧客の使用に合わせて3リッターエンジンと5速ギアボックスに換装され、実質的に250GTO仕様へとコンバートされた。
1970年代になると、このクルマを購入したフェラーリ・クラブ・オブ・アメリカ(FCA)会長のフレッド・ライドルフによって、FCAのミーティングなど数々のイベントで披露された。1980年代には先代オーナーの元でスペシャリストによるフルレストアを受け、数々のコンクールで賞に輝く。2011年のペブルビーチ・コンクール・デレガンスでは、同時に出展された23台のGTOの中で2位を獲得。同年のアメリア・アイランド・コンクール・デレガンスでもベスト・オブ・ショーを受賞し、2022年9月に開催された250GTOの60周年記念ツアーにも参加した。
今回のオークションに先駆け、シャシー番号3765は2023年8月のペブルビーチ・コンクール・デレガンスで、カーサ・フェラーリの芝生の上で公開された。
現在の新たなオーナーの手に渡るまで、この330LM / 250GTOは過去38年間を1人のオーナーとともに過ごした。RMサザビーズは、その間に「熱心かつ潔癖な維持管理」がなされていたと説明している。
RMサザビーズはさらに、次のように述べている。「この真に注目に値するGTOは、まさに伝説にほかなりません。スクーデリア・フェラーリがS.E.F.A.C.フェラーリの名のもと、レース参戦を行った唯一の例として知られています。ル・マン・クラシックを含む世界中の主要なイベントに参加資格があるこの素晴らしいGTOは、次の管理者にさらなるツーリングやビンテージカーレースの楽しみ、そして世界中の主要なコンクール・デレガンスやミーティングで展示する栄誉を提供します」
(forbes.com 原文)