北米

2023.11.15 13:00

トランプのSNS、立ち上げ以来110億円の損失

遠藤宗生

mundissima / Shutterstock.com

ドナルド・トランプが運営するSNS「トゥルース・ソーシャル」が、昨年の立ち上げ以来、7300万ドル(約110億円)の損失を出していることが13日、米当局に提出された書類により明らかになった。同SNSの財務状況と運営継続能力について懸念を生んでいる。

トゥルース・ソーシャルの運営企業トランプ・メディア&テクノロジー・グループ(TMTG)と合併する予定の特別目的買収会社(SPAC)デジタル・ワールド・アクイジション・コーポレーション(DWAC)は、米証券取引委員会への提出書類でトゥルース・ソーシャルの財務状況を開示した。

書類によると、トゥルース・ソーシャルの収支は設立初年度の2022年が5000万ドル(約75億円)の損失、23年上半期が2300万ドル(約35億円)の損失だった。売上高は22年が140万ドル(約2億1000万円)、23年上半期は230万ドル(約3億5000万円)だった。TMTGの最高経営責任者(CEO)を務めるデヴィン・ヌネス元下院議員には、22年に75万ドル(約1億1000万円)の報酬が支払われていた。

財務状況の悪化は、TMTGの企業としての継続能力に「大きな疑問」を生じさせるものであると提出書類には記されているが、事業継続の余地がどれだけ残されているかは不明だ。

「TMTGは、DWACとの合併完了に向けた進展がない限り、従来の資金調達手段による追加資金の調達は困難であると考えている」と提出書類にはある。TMTGとDWACの合併は2021年に発表されたが、法的な問題が発生。今年9月には、完了期限がさらに1年延長された。

DWACが挙げた多くの潜在的リスクには、TMTGの会長であるトランプも含まれている。提出書類は、同社の成功はトランプの「評判と人気」と結びついており、トランプの人気が低下した場合、同社が「衰退する可能性がある」と指摘。トランプが現在抱える多くの訴訟で不利な結果が出た場合、TMTGとトゥルース・ソーシャルにも悪影響が及ぶ可能性があるとしている。

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太

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