ロシア軍のドローンでEFPの使用が広がっているらしいことに関して、ウクライナ軍にとって朗報があるとすれば、防御力が最高レベルの車両ならその攻撃もしのげるはずだということだ。
EFPを搭載しているとみられるロシア軍のドローンは、数カ月前、観察眼の鋭いウォッチャーたちが前線の写真や映像で見つけていた。ここにきて、その存在が事実として広く受け入れられ始めている。
「こうした弾頭(EFP)を搭載したランセット徘徊型兵器の最新モデルが、(歩兵戦闘車のM2)ブラッドレーを攻撃する映像が(ウクライナ東部の)ドネツク軸で記録された」。独立調査団体のコンフリクト・インテリジェンス・チーム(CIT)は先週、そう報告している。
EFPを搭載したドローンは、目標に接近していく際にセンサー(ランセットの場合はレーザー距離測定器)が目標までの距離を計算。最適な距離(3.7〜4.6m)に到達すると、湾曲した金属板の後ろに収められている炸薬をセンサーが起爆させる。
炸薬によって推進され、熱された金属板は外側に打ち出され、細長い塊になっていく。この塊が目標を貫く。
In the Bakhmut area, a Russian Lancet loitering munition targets a Ukrainian AHS Krab SPG parked inside an anti-drone cage.
— OSINTtechnical (@Osinttechnical) July 27, 2023
The cage appears to work, causing the Lancet to prematurely detonate. pic.twitter.com/TDIvXoBGrY
ロシア軍もウクライナ軍もこれまで、戦闘車両の多くにスラット装甲や鳥かご装甲を装着してきた。これらはもともと便宜的なもので、毎回役に立つというわけではない。だが、ロシア軍がランセットにEFPを搭載しているらしいことがわかってきた今、ウクライナ軍でこれらの追加装甲が役に立つ機会はさらに減ったと言えるだろう。