爆発反応装甲(ERA)も有効かもしれない。米陸軍歩兵将校のビンセント・デラニー大尉は米陸軍士官学校の現代戦争研究所(MWI)に寄せた小論で「(被弾すると)小さな爆薬が装甲の外側に向けて起爆し、内側への爆風を遮るこの装甲は、1970年代以来、HEATやEFPを撃退するために使用されてきた」と書いている。
爆発反応装甲の場合も車両の重量は増すことになる。それ以上に厄介なのは、この装甲が爆発するという点だ。車両の装甲がもともと薄い車両に爆発反応装甲を追加した場合、被弾時にこの装甲自体の爆風で車両がダメージを受けることは避けられない。「爆発反応装甲を付ける場合、必ずその裏側(戦車側)に(圧延鋼板のような)受動装甲がなくてはいけない」と英王立防衛安全保障研究所(RUSI)のサム・クラニーエバンスとシッダールト・コーシャルは解説している。
いずれにせよ、ウクライナ側はなんらかの対策を講じる必要がある。電波妨害装置でドローンの運用を妨げたり、対空砲でドローンを撃ち落としたりするといった手もあるだろう。重量級の車両であれば複合装甲や爆発反応装甲なども使えそうだ。
とはいえ、こうした措置を講じても、依然としてウクライナ軍の多くの車両はEFPに対して無防備なままかもしれない。とくに、爆発反応装甲が付けられない軽量級の車両は危うい。スラットやケージといった従来のドローン対策ではもはや十分でない。
(forbes.com 原文)