佐藤:そうですね、いつ死ぬかわかんないし、温めててもしょうがねぇなっていう気持ちはあります。一方で、「アイデアの嫁ぎ先」って表現を僕はよくしますが、この企画はどこから世に出ると幸せか? は常に考えていて。
例えば、2022年に大阪にオープンした130種以上のボードゲームが遊び放題のホテル「ボードゲームホテル」の場合は、コンセプトだけでパッと出しても大したことはない。本当にちゃんとホテルとして実現したから面白いんです。
インディペンデントな出し方が合ってるものがあれば、テクノロジーが伴ってから出した方がいいなという“技術待ち”のアイデアもある。なので、ご縁や時代の流れも関係しますね。
出村:その企画たちは普段どこに書き留めてるんですか?
佐藤:昔はノートにずっと手書きでしたが、iPadが出てから徐々にデジタルに移行して。アプリは色々試した結果、「Bear」というノートアプリが一番使いやすくて、Apple Watchでショートカットをつくりボイスメモでアイデアを入れられるようにしています。
毎週日曜日を締め切りとして「今週のアイデア」というフォルダにネタを溜め込んでいく習慣は、10年以上続けていますね。
パフォーマンスを最大化するためのルーティン分析
出村:ねじさんが代表として経営されてる、ブルーパドルがどんなチームかについても教えてもらえますか?佐藤:ブルーパドルのメンバーは全員、フリーランスや自分で会社を持っている人たちで構成されています。いわゆる雇用主と会社員の関係ではなく、「よく一緒に仕事をする仲間」ぐらいの感じで、ギルドという表現をしています。案件によってそれに適したメンバーをアサインしています。
出村:その形態は、ブルーパドルの創業当時から?
佐藤:いえ、最初は社員を普通に雇いながら3年ぐらいやっていて。その後、やっぱり会社を拡張していくかどうするかっていう分岐点が見えてくるんですよね。そこは会社によって選択が違うと思いますが、ブルーパドルに関していうとプロジェクトベースで全部考えたいと思った。
例えばクライアントの課題を解決する時に、「そもそもモノをつくらない方がいいですよ」という提案もあるじゃないですか。お医者さんが絶対に薬を処方するんじゃなくて、「薬を飲むよりも運動した方がいいですよ」って提案するような。
出村:プロジェクトの成果を最大化させるためには、毎回プロジェクトをメンバーを含めていちからデザインした方がいいんじゃないかという発想ですね。