つまり、ダッシュトゥーンはクリエイターに対してストーリーをコミック化する機能だけでなく、完成した作品を販売する機会も提供しているのだ。スタジオを利用するクリエイターは、ダッシュトゥーンアプリで独占的に作品を配信することに同意すれば、利用料を支払う必要がないが、他の販売チャネルでも販売する場合は料金が発生する。読者は、10エピソードに達すると課金対象となり、続きを読むには有料購読に申し込まなければならない。この購読料が、クリエイターとダッシュトゥーンにとっての収益源となっている。
コミック制作の民主化
ダッシュトゥーンは、まだサービスをリリースして日が浅いが、同社のコンセプトは米国のコミックコミュニティを惹きつけているようだ。現状、同社はクリエイターを少数に絞って事業を展開しており、約50人のストーリーテラーが日々コンテンツを投稿しているが、すでに2万5000人が同社のアプリ「Reader」をダウンロードしたという。投資家もダッシュトゥーンに注目しており、Matrix Partners IndiaとStellar Venture Partnersが同社に出資している。「今後数年間で、コンテンツビジネスにはさらに多くの変化が起きるだろうが、その中でも最も重要なのは、制作の民主化だ」と、Matrix Partners IndiaのマネージングディレクターであるAakash Kumarは話す。
「米国では、モバイルでのコンテンツ消費が飛躍的に伸びている。2011年に1日平均45分だったものが、2021年には1日4時間にまで急増した。我々は、ウェブコミックが次の成長の波になると予想している」と、Stellaris Venture PartnersのプリンシパルであるNaman Lahotyは述べている。
コミックファンにとっては、消費するコンテンツの選択肢と種類が増えることが期待される。ダシュトゥーンは、まず英語圏でのビジネス拡大を目指しているが、他の言語圏の作家向けに翻訳ツールの提供にも取り組んでいる。「重要なのは、人々が喜んで読むコンテンツをより多く作ることだ」とNarainは語った。
(forbes.com 原文)