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2023.11.14 08:00

グーグル元CEOの慈善団体に囁かれる米政府との「疑惑の関係」

ニュースサイトのポリティコは昨年、ホワイトハウス科学技術政策局(OSTP)のスタッフが、同局とシュミット・フューチャーズとの利益相反について苦情を申し立てたと報じていた。シュミット・フューチャーズはOSTPの科学顧問2人の給与を間接的に賄っており、他の顧問2人はシュミット・フューチャーズのフェローだった。また、少なくとも1人の同団体の幹部がホワイトハウスで無給のコンサルタントとして働いていた。

その当時、ホワイトハウスはポリティコに対し、シュミットとの関係に問題はなかったと述べた。シュミット・フューチャーズも声明で、この記事が根拠を欠いていると反論した。ホワイトハウスの関係者はフォーブスに対し「エリック・シュミットも彼の組織も、国の政策に影響力を行使することはない。そうでないという主張は誤りだと」と述べた。

「愛人」と立ち上げたスタートアップ

一方、業務の拡大にともない、エリック・シュミットはシュミット・フューチャーズに割く時間を減らし、自分の帝国の他の部門を拡大することに注力するようになったと関係者は述べている。彼はヘンリー・キッシンジャーらとの共著の『AIと人類(The Age of AI)』を執筆し、人工知能に関する国家安全保障委員会の委員長を務めるなど、政府顧問に名を連ねるようになった。

また、交際中の女性起業家ミシェル・リッターと立ち上げたSteel Perlot(スティールパーロット)と呼ばれるテックアクセラレーターにも執行会長として深く関与している(シュミットは、以前から愛人について報じられている)。

フォーブスは先月、シュミットが2021年にスティールパーロットに1億ドルを出資し、その1年後に同社が資金繰りに行き詰まったことを報じていた。リッターは、時おりニューヨークのシュミット・フューチャーズのオフィスで働くこともあり、シュミットの妻が共同運営する組織にシュミットの愛人がいることに疑問を呈する従業員もいたという。広報担当者がフォーブスに宛てた声明の中で、リッターは「シュミット・フューチャーズで役割を持ったことはありません」と述べた。

シュミットは今年初めに社員らに同団体が成長し続けると約束していた。晩春のタウンホールミーティングで、ブレイバーマンとシュミットは従業員の前に立ち、シュミット・フューチャーズは予算を倍増すると発表した。しかし、その数カ月後にブレイバーマンは会社を去り、シュミットが最も注力した慈善事業のクワッドでさえも終了の瀬戸際にある。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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