製品

2023.11.11 15:00

画面がない装着可能な小型AIデバイス「AI Pin」をHumane発表

AI Pin(C)Humane

AI Pin(C)Humane

サンフランシスコに本社を置く人工知能(AI)関連のスタートアップのHumane(ヒューメイン)は11月9日、数カ月前から告知を行っていた同社初のプロダクトの「AI Pin」を発表した。

画面を持たない小さなガジェットであるAI Pinは、その名のとおりピンで衣服にとめて使用する。このデバイスは、カメラとセンサーで装着者の周囲の環境をスキャンし、さまざまな質問に回答する。AI Pinは、主に音声で操作するものだが、小さなプロジェクターが搭載されており、ユーザーの手のひらにアイコンやテキストを照射できる。

ヒューメインは、AI Pinを食品にかざすと栄養価を知ることができるコンピュータビジョン機能や、音声で操作可能な翻訳機能をアピールしている。

AI Pinは、マイクロソフトとOpenAIが開発した大規模言語モデル(LLM)を搭載しており、クアルコムのSnapdragonプロセッサーや超広角カメラを搭載し、Bluetooth接続が可能だ。このデバイスは、米国で定価699ドル(約10万6000円)で11月16日に発売され、Tモバイルのネットワークを用いた場合のデータ通信とストレージ利用料が月額24ドルとされている。

ヒューメインは、元アップル幹部のイムラン・チャウドリとベサニー・ボンジョルノの夫婦が2019年に共同創業した企業だ。彼らは、これまでMacやiPod、iPad、iPhone、Apple Watch、iOSの開発に携わってきた。

チャウドリは、アップル時代に、初代iPhoneのスワイプによるロック解除機能の発明に貢献したとされる。ボンジョルノは、初代iPadの立ち上げに貢献したソフトウェアエンジニアだという。2人は、スマートフォンのタッチコンピューティングの時代を切り開いた経験から、よりミニマルなデバイスを作ることを思いついたと語っている。

「AI Pinは、AIを日常生活に統合し、人々の能力を向上させるというビジョンを具現化したものです」と彼らは9日の声明で述べた。
次ページ > 最大のライバルは共同創業者らの元勤務先、アップル

編集=上田裕資

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事