求められる「緊急事態」宣言
梅毒は最も古くから知られている性感染症(STI)の1つであり、強い偏見を持たれてきた病気だ。原因となる細菌は、感染後の潜伏期間が長く、パートナーを感染させる可能性があるが、本人には感染の兆候も症状も、すぐには現れない。梅毒の治療をより容易なものに変えたのは、抗生物質の登場だった(多くの場合、たった1回の注射で治療ができる)。それにより、米国では感染者は大幅に減少。CDCは、国内での梅毒の根絶に向けた取り組みを開始していた。
だがその目標は実現されず、検査方法も、治療のための抗生物質もあるにもかかわらず、感染者は再び増加に転じた。ここ数年は世界中で、驚異的な勢いで感染が拡大している。
米国は梅毒を含むSTIとの闘いにおいてここ数年、何度も挫折に直面してきた。そして、先天性梅毒の新生児が急増する現在、専門家らはバイデン政権に対し、この問題についての「公衆衛生上の緊急事態の宣言」を求めている。
各州の保健当局は予算が不足し、連邦政府から割り当てられることになっていた資金も、債務上限の一時的な引き上げに関する合意のために削減された。それにより、STI対策のプログラムはその多くが、深刻な影響を受けている。
(forbes.com 原文)