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2023.11.10 17:00

テスラの経営、マスクの「シングルマン」リスク指摘で株価急落

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米電気自動車(EV)メーカー、テスラの株価は11月9日、著名アナリストによる大幅な格下げと、競合のEVメーカーが予想を下回る四半期決算を発表したことを受けて急落した。

テスラ株は、9日に5.5%下落して210ドルをつけ、時価総額390億ドル(約5兆9000億円)が吹き飛んだ。値動きが激しいことで知られるテスラ株はこの日、2023年に入ってから11番目に大きい1日あたりの下落率を記録した。

この下落は、HSBCのアナリストのマイケル・ティンダルがテスラの格付けを開始し、8日の終値を約33%下回る146ドルを目標株価とし「売り」としたことを受けてのものだ。

ティンダルは、マスク自身がテスラの将来の株価パフォーマンスの「リスク」だとしたが、それは彼の悪ふざけを指しているのではない。彼は、マスクの突出した存在感が「シングルマン」リスクをもたらすと指摘し、成功が1人のリーダーに密接に結びついている企業が直面する長期的な課題に言及した。

9日の市場は、S&P500が0.8%安を記録する広範な下落に見舞われたが、EV関連株はそれを上回る下げ幅を記録した。

テスラの競合のEVメーカーのリビアンとルーシッドの2社も、7日に投資家を失望させる決算を発表し、9日の市場でそれぞれ10%と5%、株価を下落させた。

テスラの約13%を所有するマスクは、9日に87億ドルの資産を失ったとフォーブスは試算している。マスクの現在の保有資産は2237億ドル(約34兆円)で、彼が世界で最も裕福な人物であることに変わりはないが、テスラの時価総額が1兆2000億ドルを超えた2021年11月のピーク時の3200億ドルを約1000億ドル下回っている。

テスラの株価は、10月18日に発表した四半期決算の利益と売上高がアナリスト予想を下回ったことで、ここ1カ月で20%下落している。ただし、年初来では94%高となっている。

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forbes.com 原文

編集=上田裕資

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