ブルームバーグにマーク・ガーマンが寄せた記事によると、アップルは最近、iPhone、iPad、Macのソフトウェアに新機能を追加する作業を、一時的に停止しているという。これは、各OSに発見された通常よりも膨大な問題群への対処を優先するためだ。
「先週、社内で従業員に伝えられたこの延期は、初期のバージョンでバグが多発したことから、品質管理を徹底するためのものだった」と、この発表を知る関係者は語っている。同社のエンジニアには、新機能を追加するよりも、欠陥の修正とソフトウェアのパフォーマンスを向上させる仕事が課せられたとのこと。この件は非公開だから身元は明かせないという関係者は述べている。
ガーマンの情報筋によれば、今回の遅延の原因となったバグの多発は、最初の大きな開発マイルストーンで起きたという。この開発マイルストーンは「M1」と名づけられている。まぎらわしいが、Appleシリコンの「M1チップセット」の話ではない。どんな大規模プロジェクトでもそうだが、一時的に停止してプロジェクト全体を精査する時期があるものだ。今回、アップルのエンジニアたちはその時期に次期バージョンのOS、特にiOS、iPadOS、macOSの開発において、M1以前のテストでは見逃していた多数のバグを発見した。
解決策は、M2に向けた開発作業の開始を一旦停止させ、全員でバグ探しを行うほかない。
この一時停止が、OSのアップデートや新製品の発売にどの程度の影響を与えるのか、今のところ不明だ。アップルは通常、ハードウェアの新製品とソフトウェアのメジャーアップデートを同時に発表するが、2023年に予定されていた主な製品の発表はすでに終えた。iPadとMacBook Airシリーズのアップデートは2024年前半になると見られている。ガーマンの指摘によれば、この開発停止には、iOS 17.4と呼ばれる現行のiOS 17のアップデートも含まれるという。iPhoneとiPad向けのこのアップデートは、2024年第1四半期後半にリリースされる見込みだ。
主要なプロジェクトはこの停止に巻き込まれるものの、アップルによるこの手の一時停止は「珍しい」出来事だとみなされている。
Androidでも、Android 14の発表前に同じような一時停止があった。グーグルは2023年8月中旬、Android 14に予定外のベータ5を追加し、より多くの修正とテストが必要であることをうかがわせた。これにより、Android 14の正式版のリリースは予定されていた9月8日から10月4日に延期され、Android 14をベースにしていたOnePlusなどのメーカーは、OSアップデートの延期を余儀なくされた。
Androidの場合は、アップルの今回の一時停止よりも、はるかに正規版の完成に近くなってから行われたとはいえ、これらのことは、現代のOSがプラットフォームを問わず、その複雑さゆえに、慎重かつ責任ある管理を必要とすることを、改めて浮き彫りにするものである。
(forbes.com 原文)