製品

2023.11.08 12:30

アップル、次世代バッテリーを研究中か iPhoneが大きく進化する可能性

安井克至

Wirestock Creators / Shutterstock.com

最新の報道によると、アップルは独自のバッテリーを社内で設計する計画を進めているという。実際、現在でもバッテリーは社内で設計されていると説明されているが、これはまったく別の話のようだ。バッテリー寿命は重要な性能指標であるため、ビッグニュースになるかもしれない。

韓国メディアのET Newsによると、アップルは次世代バッテリー技術を研究中だという。そのバッテリーは、Appleシリコンなどと同様の社内開発となる可能性がある。

これは大きな変革だと記事はいう。「カソードとアノード」に新たな素材を導入予定で「カソードの素材はバッテリーのエネルギー密度、出力、安定性などの性能を支配する重要な素材」であると説明している。

「アップルはバッテリーの性能を改善するために、ニッケル、コバルト、マンガン、アルミニウムなどを組み合わせてカソード素材を作ることで、これまでとまったく異なる組成を追究しているようだ」と記事は述べている。

さらに詳しい説明として、性能を向上させるための導電素材として使用される可能性のあるカーボンナノチューブやグラファイトの代わりにシリコンの含有量を増加させることでバッテリー容量を増やし、充電、放電時間を短縮する方法などにも記事は言及している。

科学に関する話はともかく、バッテリー性能の向上は常に歓迎だ。スマートフォンやタブレットの能力が高まり、電力消費の大きい高速コンピューティングが必要になっている今、バッテリー寿命改善の戦いは続く。

Apple Vision Proは電源として外部バッテリーを使用しており、ケーブルで接続することによって数時間の連続使用が可能なので、もしその技術が今より何倍も効率の良い小型軽量なバッテリーの実現につながるのであれば、利用可能時間はずっと長くなる。

アップルは、このバッテリープロジェクトのためにサムスンの幹部を雇用したと記事は指摘している。また、プロジェクトの長期的目標は、長年憶測されている自動車かもしれないが「現時点でバッテリー開発の主要ターゲットはモバイル」とも述べている。

大いに楽しみな話ではあるが、残念なお知らせもある。完成するのは2025年以降、すなわち、この画期的技術の恩恵を受けるのはiPhone 17かiPhone 18ということになる。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事