快適さとおしゃれを両立。12億人の障がい者が喜ぶ服

Forbes JAPAN編集部
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作業療法士と障がい者支援ワーカーだったエマ・クレッグ(29)とモリー・ロジャース(28)は、障がい者のためのファッショナブルな服のレーベル「JAM the label(JAM)」を共同設立した。JAMの服はユニバーサルデザインを採用し、着脱を簡単にし快適さを実現するため、マグネット・ファスナー(磁力で左右の開き具が合わさるもの)や伸縮性のある素材で構成され、タグもない。

医療服のようになりがちなインクルーシブデザインとは異なり、身体、知的、感覚に障害を持つ人々に対応する、明るい色彩と最先端のデザインの服をオンライン販売し世界中に届けている。服のデザインから販売オフィスまで、JAMはビジネスのあらゆる面で障がい者たちと協力している。

「障がい者と健常者が経験や機会を共有することで、ともに学び合い成長することができるのです」。

合計14年以上の障がい者サポート経験の中でふたりは、障がい者にとって着替えは「時間のかかる不快な作業」であると知った。より着やすい服を探したが、快適で簡単に着れるものはファッションで自己表現したい人にとってクールではかった。これまで世界の15〜20%の障がい者たちはおしゃれなファッションから排除されてきたのだ。

「どんな人間であるかに影響を与える服には選択肢があるべき。12億人の障がい者、そしてすべての人にスタイリッシュでインクルーシブな服を通して自身を表現する機会を与えたい」。


エマ・クレッグ、モリー・ロジャース ◎ともにオーストラリア生まれ、オーストラリアカソリック大学作業療法学専攻卒業。作業療法士、障がい者支援ワーカーとして勤務後2019年JAM the labelを共同創業。アジア版「Forbes 30 Under 30 2023」に選出。

文=フォーブス ジャパン編集部 写真=レン・シュタイナー

この記事は 「Forbes JAPAN 2023年11月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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