「本当に、人は1日あったら変わることができると思います。僕の場合、それは小学生のとき。父親と街を歩いているときに、いまの事務所のスタッフの方に声をかけていただいて、この世界に入りました。そして、気がついたら人生の半分以上を、この世界で過ごしています。あの日以来、本当、お芝居しかやってこなかったので。あの1日がなかったら、この仕事に出会ってなかったら……。もう想像がつかないです」
少し遠くを見つめるようにしながら、自らの人生を確たるものにした1日を振り返った中川。いっぽうでSDGsについては、冒頭のコメントにあるとおり、まだ確かなものを掴みきれていないと告げた。
「一人ひとりが意識を持って取り組むべきとはわかっていても、自分に直接的に関わらないと思える部分もかなりあって。それを、自分ごとと捉えていくのって、難しいな、とも思うんです。でも、改めて17のゴールを見てみると『これもSDGsなんだ、あれもそうなんだ』と思えるものもたくさんあって。だから、やっぱり一人ひとりが、自分ごとなんだと認識することが大事だと思う。そのためには、どうしたらいいんだろうかと、常々考えています」
自身は、幼いころから自然環境に身を置くことが何より好きだった。ゆえに、漠たる思いを抱えながらも、持続可能な環境を作りたいという思考は、自ずと身についている。
「僕はアウトドアが好きなんです。子どものころからよくキャンプに連れて行ってもらったり、海や川、湖で釣りをしたり。今も、休みがあればアウトドアで、自然と触れ合うのが好きです。
でも、釣りとか、キャンプとかって、それは僕たちが自然にお邪魔している、使わせてもらっているという言い方もできると思っていて。だから、ゴミの管理だとか、釣った魚はどうするだとか、その場所、その場所のルールは、きちんと守りたいと思っています。
ただ、そういう場所に行くと、ゴミが浮いていたり、ぐちゃぐちゃになった釣り糸がそのまま捨てられていたり。ときには、釣れた魚に釣り糸が絡まってることもあるんです。そういうものを目の当たりにすると、やっぱり胸が痛くなりますし、自分は気をつけなきゃいけないな、と強く思います」