アップルは、9月30日までの3カ月間の売上ならびに利益で予測を上回った。金融データ会社FactSetによれば、この期間の合計収益は895億ドル(約13兆5000億円)、1株あたりの収益は1.47ドル(約221円)で、アナリストたちが事前に予測した893億ドル(約13兆4000億円)および1.39ドル(約209円)をそれぞれ上回った。
アップルは、iPhoneの売上438億ドル(予想も438億ドル)を含む製品売上として672億ドル(予想は679億ドル、約10兆2000円)、収益性の高いサービス部門の売上として223億ドル(予想214億ドル)を計上した。
アップルの四半期売上高は、MacBookの売上が34%減少したこともあり、前年同期比で6%近く減少したものの、純利益は年間11%増の230億ドル(約3兆5000億円)となった。
米国時間11月2日にアップルは、四半期配当金を1株当たり0.24ドル(約36.1円)にすると発表した。これはアナリスト予想と同じで、過去2四半期と同額の配当金だ。
アップルの株価は、この報告書の発表直後の取引で2%下落し175ドル(約2万6000円)となった。
アップルが2023会計年度の9月までの期間に稼いだ利益は970億ドル(約14兆6000億円)であり、昨年から2.8%減少している。アップルは2022年に最も利益を上げた米国企業であり、その純利益998億ドル(約15兆円)はS&P500種構成銘柄で次に利益を上げたマイクロソフトを約38%上回っていた。
アップルは、2023年最終四半期の具体的な財務予想の公表を通常通り拒否したが、アナリストは期間中の売上高を1231億ドル(約18兆5000億円)、純利益を324億ドル(約4兆9000億円)と予測している。これはいずれもアップル史上2番目に高い売上と利益であり、2021年最終四半期に次ぐものとなる。モルガン・スタンレーのアナリスト、エリック・ウッドリングは、この期間には「アップルにとって不利に働く4つの主要な力」があると指摘する。米ドルの相対的な強さ、慎重な個人消費、iPhone 15の供給不安、そして2022年と比べて四半期が1週間短いことを挙げている。
昨年は2008年以来アップル株にとっては最悪の年であり、27%値下がりした。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ対策として成長率を抑えた金融政策にシフトする中、投資家が金利に敏感なハイテク株を大きく売り越したためだ。しかし、2023年の上半期に大手テクノロジー企業の利益の可能性についての楽観論がドットコム時代以来最高レベルに達する中で、アップルの株の人気は高まり、7月には市場価値が史上最高の3兆1000億ドル(約466兆2000億円)に達した。株価はここ3カ月で約10%下落したものの、アップル株は年初来で40%以上の高値にとどまっている。
(forbes.com 原文)