そのために、ソニーはBungie(バンジー)を37億ドルで買収した。バンジーが10年前から運営している『Destiny』シリーズは、PvP(プレイヤー対プレイヤー)とPvE(プレイヤー対環境)両方の要素があるライブサービスゲームでは数少ない成功例の1つとなっている。ソニーは、シングルプレイタイトル中心の傘下スタジオに、バンジーからライブサービスゲームの作り方を学んでもらうつもりだった。
だが今のところ、その思惑は完全に外れている。ソニー傘下の大手スタジオの多くがマルチプレイゲーム開発を命じられたが、その中でも最も注目を集めていたノーティードッグの『The Last of Us Factions』は、バンジーによる精査の結果、十分なクオリティに達していないと判断された。同作の開発は凍結され、今は発売にこぎつけられるかどうかもわからない状態だ。
同様に、シングルプレイタイトル開発で実績のあるスタジオがライブサービスへの進出に失敗した例は、クリスタル・ダイナミクスの『Marvel’s Avengers』、ギアボックスの『バトルボーン』、バイオウェアの『Anthem』など、数知れない。ソニーはそうした前例をすべて無視し、自分たちならうまくやれると信じているようだが、今のところそうはなっていない。