ベトナムの「ビキニ航空会社」が150億円調達 業績が大幅回復

(Photo by Fabrizio Gandolfo/SOPA Images/LightRocket via Getty Images)

ベトナムの格安航空会社ベトジェット・アビエーションは10月31日、新型コロナウイルス流行後の堅調な業績回復の中、新機材購入などに充てる資金1億ドル(約150億円)を調達したと発表した。

ベトナムのセルフメイドウーマン(たたき上げ女性)で初のビリオネア(保有資産が10億ドル以上の富豪)となったグエン・ティ・フォン・タオ(53)が設立したベトジェットは、ベトナムの匿名機関投資家3社と第3四半期中に予備契約を締結し、間もなく投資取引を完了する予定。今回の資金調達は、同社の新機材への投資やネットワークの拡大、航空会社の成長支援につながるという。

今回の資金調達は、同社の業績が好調で、1~9月期の連結純利益が30%増の550億ドン(約3億4000万円)、連結売上高が23%増の14兆2000億ドンを記録した中で行われた。

コロナ流行後の旅行需要回復を受けて、ベトジェットは新たに7つの国際路線を開設し、ベトナムとオーストラリアの5大都市(パース、アデレード、ブリスベン、メルボルン、シドニー)を結ぶフライトを展開する初めての航空会社となっている。新路線の就航により、国際線は同グループの収益の57%を占めるに至っている。

ベトジェットは、水着モデルがリゾートを宣伝するマーケティングを行い、「ビキニ航空会社」として知名度を向上。その成長を支えるため、ボーイング社に737MAXを200機発注した。

総額250億ドルに及ぶ新機材は、今後の5年間で納入される予定。ベトジェットは最近、今回の資金調達とは別に、機材調達のためカーライル・アビエーションから5億5000万ドルの融資を受けた。

元商品トレーダーのグエンは2011年にベトジェットを立ち上げ、6年後にベトナムで上場させた。保有資産は21億ドルで、ホーチミン市開発商業銀行(HDバンク)や3つのビーチリゾートを含む不動産にも投資している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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