アップル株は8月3日の決算発表以来10.4%下落している。決算は売上、純利益ともにアナリストの予測を上回ったにも関わらず、総売上の約20%を占める中国における成長能力に対する懸念を抱かせた。
時価総額で世界最大の企業の低迷は、ダウ工業株30種平均がこの期間中に6%下落したように、市場全体の低迷がより緩やかであったことと一致する。
アップルの決算に対する投資家の反応は、さまざまだ。過去10回の決算報告で、アップル株は発表直後の取引で平均1.3%上がっているが、発表後1週間は0.1%下がっている。しかしこの数値はアップル株が決算発表の翌週に6.9%下落した8月の業績不振で歪められたものだ。
FactSetによると、アナリストはアップルが2日に発表する四半期決算を、売上893億ドル(約13兆4000億円)、1株あたり利益1.39ドルと予想しているという。これは年間約1%の売上減少と、利益成長率8%に相当する。
アップルが8月の決算報告以降に失った時価総額は3030億ドル(約45兆6000億円)であり、米国企業で19番目に価値の高いオラクルの時価総額にほぼ相当する。
アップルは2023年7月、分割調整後の株価が史上最高値となる198ドルを記録したが、現在は170ドルをわずかに上回る価格で取引されている。この下落は、この20年で最高の国債利回りと利率が、金利に敏感とされるテクノロジー分野にどう影響するかを投資家らが見守る中で起きている。
評価額の下落に関わらず、他の大手テクノロジー企業は、これまでのところ好調な第3四半期決算を報告している。1日に公開されたYardeni Researchの報告によると、すでに第3四半期決算を報告しているS&P 500企業は、全体で6.8%売上が上昇したが、アルファベット、アマゾン、メタ、マイクロソフト、Netflixおよびテスラを除くと、売上成長は年間損失1.2%に下がる。
「ウォール街でのアップルに対する全体的感情は、ネガティブな『集団思考のメンタリティ』だ」とWedbushのアナリスト、ダン・アイブスが1日に顧客向けメモに書いている。
(forbes.com 原文)