北米

2023.11.02 17:00

アップル、8月の決算以降で時価総額46兆円失う

安井克至

Drop of Light / Shutterstock.com

アップルは現地時間11月2日午後に直近四半期の決算を発表する予定で、前四半期の決算以来続いている同社には珍しい不調に歯止めをかけることを期待している。

アップル株は8月3日の決算発表以来10.4%下落している。決算は売上、純利益ともにアナリストの予測を上回ったにも関わらず、総売上の約20%を占める中国における成長能力に対する懸念を抱かせた。

時価総額で世界最大の企業の低迷は、ダウ工業株30種平均がこの期間中に6%下落したように、市場全体の低迷がより緩やかであったことと一致する。

アップルの決算に対する投資家の反応は、さまざまだ。過去10回の決算報告で、アップル株は発表直後の取引で平均1.3%上がっているが、発表後1週間は0.1%下がっている。しかしこの数値はアップル株が決算発表の翌週に6.9%下落した8月の業績不振で歪められたものだ。

FactSetによると、アナリストはアップルが2日に発表する四半期決算を、売上893億ドル(約13兆4000億円)、1株あたり利益1.39ドルと予想しているという。これは年間約1%の売上減少と、利益成長率8%に相当する。

アップルが8月の決算報告以降に失った時価総額は3030億ドル(約45兆6000億円)であり、米国企業で19番目に価値の高いオラクルの時価総額にほぼ相当する。

アップルは2023年7月、分割調整後の株価が史上最高値となる198ドルを記録したが、現在は170ドルをわずかに上回る価格で取引されている。この下落は、この20年で最高の国債利回りと利率が、金利に敏感とされるテクノロジー分野にどう影響するかを投資家らが見守る中で起きている。

評価額の下落に関わらず、他の大手テクノロジー企業は、これまでのところ好調な第3四半期決算を報告している。1日に公開されたYardeni Researchの報告によると、すでに第3四半期決算を報告しているS&P 500企業は、全体で6.8%売上が上昇したが、アルファベット、アマゾン、メタ、マイクロソフト、Netflixおよびテスラを除くと、売上成長は年間損失1.2%に下がる。

「ウォール街でのアップルに対する全体的感情は、ネガティブな『集団思考のメンタリティ』だ」とWedbushのアナリスト、ダン・アイブスが1日に顧客向けメモに書いている。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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