株価は31日の時間外取引で3%以上下落したが、1日午後の大半は8%以上の急騰となる106.50ドル以上で取引された。
同社の好調な売上見通しは、人工知能(AI)と高性能コンピューティングに使用される新型チップの「MI300」の大口顧客からの受注が好調であることを受けてのものだ。AMDは、このチップがライバルのエヌビディアの製品に対抗できると期待している。
同社のCEOのリサ・スーは電話会議で、大手のハイテク企業やクラウドコンピューティングの顧客からMI300チップの採用を確約されたと語った。
UBSのアナリストは、AMDの売上高予想が同社の予想の10億ドル台半ばを上回るもので、12月のMI300の発表イベントでは、マイクロソフトやメタ、グーグルなどの「顧客基盤の広さと深い関与が強調されるはずだ」と述べている。
AMDの株価は年初から67%急騰しているが、1株あたり125ドル以上で取引されていた6月中旬の水準を下回っている。
一方、エヌビディアの前四半期のデータセンター売上高は103億ドルに達し、前年同期比で170%以上増加した。最新の業績報告によると、エヌビディアは前四半期に、複数のAIおよび高性能コンピューティングチップの出荷を開始した。
フォーブスは「米国で最も裕福な叩き上げの女性(America’s richest self-made women)」ランキングで34位にランクインしたスーの保有資産を5月時点で7億4000万ドルと試算していた。彼女は2014年に、株価が約3ドルで低迷していたAMDのCEOに就任した後、事業を立て直したと評価されている。
AMDが31日に発表した第3四半期決算の売上高は58億ドルで、1株利益は一部項目を除いたベースで70セントと、売上高と利益がアナリスト予想を上回った。しかし、同社は来期の売上高をアナリスト予想を300万ドル下回る61億ドルと予想した。
データセンター部門の売上高は16億ドルで、前年同期比で横ばいだったが、同社はMI300チップの生産量の増加により、この数字を上回ることができると考えている。UBSとゴールドマン・サックスの両社は、AMDの買いレーティングを据え置いた。ゴールドマンは、同社のデータセンター事業の勢いを指摘し「AMDは大規模で成長中の生成AI市場に参加する上で良いポジションにある」とメモで述べた。
(forbes.com 原文)