英国の消費者福祉・市場調査会社に勤めるジャスティン・ガットマンが起こしたこの訴訟は、アップルがソフトウェアアップデートによって、iPhoneの速度を低下させ「スロットリング」させる電源管理ツールをインストールしたと訴えている。
この訴訟は、iPhone 6、6 Plus、6s、6s Plus、SE、7、7 Plusに影響を及ぼしたこのソフトウェアアップデートによって、消費者は購入した製品の品質を享受できず、アップルがその事実について消費者を欺いたと主張している。
英国の2000万人以上のiPhoneユーザーを代表しようとしているこの訴訟は、競争や規制に関する問題を審理する英競争審判所によって審理される。
アップルはロイターに対し、この訴訟は「根拠がない」と述べ、iPhone 6sのごく一部のモデルを除き、iPhoneのバッテリーに欠陥があることを強く否定したが、同社は問題になっているモデルについてバッテリーの無償交換を提供した。
司法裁判所は、訴訟は破棄されないという裁定を下したものの、裁判が行われる前に解決されるべき「明確さと具体性の欠如」がこの訴訟にあるとも述べた。ガットマンは、英国の数百万人のiPhoneユーザーの訴えを1つにまとめ、アップルを提訴しようとしている。
英国の訴訟は2022年にアップルに対して起こされ、「英国の顧客に広範な損害を与えた搾取的で不公正な行為」を非難した。
しかし、アップルがこのバッテリー問題で直面している法的措置はこれだけではない。2020年、アップルがバッテリー問題に対処するため、iPhoneの特定モデルの性能を意図的に抑えたとする集団訴訟が米連邦裁判所で起こされ、アップルは和解した。一連の訴訟手続きと異議申し立てが決着した8月、アップルはiPhoneの顧客に対して最大5億ドル(約755億円)の支払いを開始することになった。
アップルは、自社製品の性能を意図的に低下させたという疑惑を否定しており、2018年の声明では次のように述べている。「私たちは、製品の寿命を意図的に短くしたり、アップグレードを促進するためにユーザーエクスペリエンスを低下させたりするようなことは、これまでも、そしてこれからも決して行いません」
(forbes.com 原文)