テクノロジー

2023.11.01 18:00

「産業用ロボット」分野で衰退する米国のリーダーシップ

Prapat Aowsakorn / Shutterstock.com

中国に遅れをとる米国

ロボットの民間利用には、まだギャップが存在する。初期に行われた投資は技術革新をもたらしたが、成長を続けるためには新たなビジョンと追加資金が必要だとカーデナスは指摘する。
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「DARPAのロボティクス・チャレンジ以降、米政府はロボティクス分野への資金援助をあまりしてこなかった。米国が今後も世界をリードし続けたいのであれば、政府は大規模に介入し、多額の資金を投入する必要がある」と彼は言う。

カーデナスの主張に対し、産業界やベンチャーキャピタルが十分な資金を提供していると反論する人もいるだろう。ロボティクス・ビジネス・レビューによると、2023年のロボティクス分野への投資額は、7月時点で80億ドル(約1.2兆円)に達したという。

しかし、これらは主にレイターステージの投資だ。初期の基礎研究などへの投資は、短期的なリターンを求めるベンチャーキャピタルよりも政府の方が得意だ。また、ベンチャーキャピタルなどは米国内に投資するとは限らない。実際、ロボティクス・ビジネス・レビューのダン・カーラによると、ディールの大半は、米国外のものだという。
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総投資額は米国が中国を上回るが、開発費も高く、イノベーションコストは米国の方が中国よりも高いと思われる。従って、中国と同水準のインパクトを生み出すためには、米国は中国の2~3倍もの資金を投資する必要があることになる。

「米国政府がどのような対応を取るか見てみたい。この競争は、長期的に非常に重要な意味を持つだろう」とカーデナスは述べた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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