自然資本ランキングの2位に選出されたのが、創業から100年以上の歴史をもつオリンパスだ。30年までにScope1とScope2を、40年までにScope3を含む温室効果ガス排出量を実質ゼロにするというKPIを掲げると同時に、循環型社会の実現に向けた製品のライフサイクル管理や水資源・廃棄物の適切な管理にも取り組む。
22年からESGオフィサー(ESG担当役員)としてESG戦略を牽引し、23年4月から社長兼CEOとして同社を率いるのがシュテファン・カウフマンだ。オリンパスCEOが考える、時代が求める「いい会社」のつくりかたとは。
──あなたが考える「いい会社」とは。
シュテファン・カウフマン(以下、カウフマン):私が考えるいい会社は、顧客、従業員、株主、政府や行政機関、そして社会全体を含むすべてのステークホルダーの期待を徹底的に理解し、その期待を調整しながら適応しようとする企業だ。それは、企業への期待が変化するなかでも外と内のステークホルダーと対話を重ね、異なるステークホルダー間の目標を統合し、すべてのステークホルダーに利益を提供しようとする継続的なプロセスを指す。
さらに、いい会社とは透明性と誠実さを併せもつ企業だと考えている。堅実なガバナンス体制の確立はリスクの特定と効果的な管理に役立つ。信頼と信用を築くためには、潜在的な問題について、すべてのステークホルダーとオープンなコミュニケーションを取ることが重要だ。
また、いい会社に大切なこととして、SDGsやESGを企業の経営戦略と日常業務に完全に取り込んでいることも挙げられる。これは単に企業のコミットメントを示すだけでなく、社会と環境に対するポジティブな影響を育むうえで欠かせない。
──今回、自然資本ランキングでオリンパスは2位にランクインした。ESGをオリンパスの経営戦略や事業活動にどう紐づけているのか。
カウフマン:私たちはESGを経営戦略の基本となる要素として受け入れるだけでなく、それを日々のビジネス運営に統合している。具体的には、「医療機会の幅広い提供およびアウトカムの向上」「コンプライアンスおよび製品の品質安全性への注力」「責任あるサプライチェーンの推進」「健やかな組織文化」「社会と協調した脱炭素・循環型社会実現への貢献」「コーポレートガバナンス」という6つのフォーカスエリアに対して具体的なマテリアリティや優先順位カテゴリ、KPIを設定している。
これらの目標は、各領域にポジティブな影響をもたらすための手段だ。目的志向の組織にするにはESGを自社の中核価値の一部と見なしつつ、従業員がこれらの目標に貢献する方法を理解することが重要だ。これもまた、いい会社にとって不可欠だ。



