だが、ウクライナ軍がクリンキやその他の攻撃作戦よりアウジーイウカの防衛を優先する気がないのは明らかだ。アウジーイウカはロシアが占領しているドネツクの北西に位置しており、この地域ではロシア側の兵たんが強固だ。
ロシア軍が大隊を次から次へとアウジーイウカに投入し続けているにもかかわらず、ウクライナ軍は同市を守る第110旅団などの部隊にわずかな援軍しか送っていない。
米シンクタンクの戦争研究所はロシア軍のアウジーイウカへの攻撃が始まった翌日の時点で、「ウクライナ当局はすでに、ロシア軍のアウジーイウカへの攻撃は戦力引き付け作戦だと認識しており、この軸に兵力を過度に投入することはないだろう」と指摘した。
もし第38海兵旅団がクリンキの橋頭堡を保持・拡大できれば、それはウクライナ軍がアウジーイウカに回す戦力を節約したことと、廃虚と化したアウジーイウカをあえて危険にさらす判断をしたことが功を奏した形となるだろう。
(forbes.com 原文)