CO2から都市ガスを作る「メタネーション」とは

プレスリリースより

二酸化炭素から合成メタンを作り、都市ガスとして利用することでカーボンニュートラルを実現しようという「メタネーション」技術の開発が世界で進められている。日本でも2021年に「メタネーション推進官民協議会」が設立され、経済産業省、NEDO、大手企業などが中心となって推進しているが、そのなかの大阪ガスとINPEXは、世界最大規模のメタネーション試験施設の建設を新潟県で開始した。

環境省によると、2020年の1世帯あたりの年間二酸化炭素排出量は2.88トン。そのうち電気は65.3パーセントともっとも多いが、次いで多いのが都市ガスの15.3パーセント。約44トンと意外に多い。都市ガスのほとんどは天然ガスで、主成分はメタン。そもそも二酸化炭素の排出量は石油や石炭よりも少ないのだが、採掘の際に二酸化炭素が排出される。

そこで、二酸化炭素からメタンを合成できればカーボンニュートラルが実現しやすくなる。それがメタネーション。工場などから排出される二酸化炭素を回収し、水素と反応させて合成メタンを製造する技術だ。大阪ガスが進めているのは、二酸化炭素とグリーン水素とを化学反応させるサバティエメタネーションという方式だ。

この実証実験施設は、石油開発企業INPEXの天然ガスプラントが集中する新潟県長岡市に建設される。面積は1万平方メートル。ここで技術の確立と検証を行い、2025年までに1万世帯分に相当する400立方メートル毎時(摂氏0度、1気圧)の合成メタン(e-メタン)を製造し、都市ガスパイプラインに注入する予定だ。大阪ガスは、2030年には供給するガスの1パーセントをe-メタンにする計画を立てている。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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