キャリア・教育

2023.11.12 17:00

世界を目指すブランド「HARUNOBUMURATA」、4年目の現在地

村田:実際にそれをやるチームや環境をつくるのは難しいでしょうし、チャレンジングではありますが、デザイナー人生をかけてやる価値はあると思っています。自分のブランドを広げるためなら、僕は何でもやります。

中道:村田さんが自分でチャンスを引き寄せて、自分の夢を形にしてきた経験を、こういう風にメディアを通して話すことで多くの人にインスピレーションを与えられるでしょうね。海外で仕事をして日本に帰ってくると、いろいろと見え方が変わりますよね。

村田:そうですね。海外に長くいて思ったことは、大切にしていることが全然違うということです。日本人はすごく真面目で、時には自分の人生を犠牲にしても仕事を優先させるようなところがあります。僕が長くいたイタリアでは、一番大切なものは自分の人生で、それを豊かにするために仕事を楽しむというスタンスでした。

その軽やかな感じが僕はいいなと思っていて。日本人も世界に目を向けて多様な考え方があることを知れば、面白いことになっていくのではないかと思います。世界に出れば考え方も広がりますし、いま日本にはいろいろな国の人が入ってきてもいますしね。

中道:僕は世界の中で日本の価値が下がってきていると思っていて。新しいことを生み出す力、いろいろな考え方や価値観を受け入れる力、そういうものが弱っていると感じます。少し変えたっていいし、間違っていたっていい。僕が違う視点から発言したことが少しずれていたとしても、それはそれでいい。そういう冒険をしたいと思っています。

村田:日本社会には「こうあるべき」というものがけっこうありますよね。その「こうあるべき」は、そもそも本当にそうあるべきなのか。そこが自由になっていけば、もう少しみんな生きやすくなると思うんです。生きやすくなれば、よりクリエイティブなものが生まれやすくなります。まずはマインドセットからかなと思うところはありますね。

中道:「こうあるべき」は日本の中だけの話ですからね。今はスマホ1つで世界中どことでも繋がります。これはもうチャンスであるしかない。だけど、今発信しなければ、日本の良さも気づかれずに沈んでしまいます。この番組はそういう危機感を持ちながらやっています。こうして村田さんとお会いして、共通認識を持ててよかったなと思いました。

文=久野照美 編集=鈴木奈央

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