ITCは26日、アップルがマシモの「光を利用したパルスオキシメーター機能を有するウェアラブル電子機器」に関する複数の特許を侵害したとする、1月に下された裁判所の判決を支持すると発表した。
同委員会は、アップルはマシモの特許クレーム2件を侵害しているが、他の7件については侵害していないとした1月の判決に対するアップルの上訴について検討していたと以前フォーブスは報じている。
Apple Watchの輸入禁止は、バイデン大統領が拒否権を行使する猶予期間が60日間あるため、ただちに施行されることはないが、大統領が介入することは稀であるとロイターは伝えている。
ITCの判決は、アップルとマシモの間で争われている知的財産権を巡る戦いにおける最新の展開だ。マシモの創業者でCEOのジョー・キアニは、Apple Watchを巡る法廷闘争に少なくとも6000万ドル(約902億円)を費やしており、特許侵害だけでなくアップルはマシモの社員を引き抜き企業秘密を盗んだと主張している。
アップルはキアニの主張を繰り返し否定してきており、アップルが企業秘密を盗んだかどうかを争うキアニによる18億ドル(約2700億円)の裁判は、5月に審理無効となった。ITCの調査に関する提出書類において、アップルの弁護団は昨年499ドル(約7万5000円)の「ヘルスウォッチ」を発売してスマートウォッチ分野に参入したマシモは、Apple Watchを米国市場から追い出そうとしていると述べている。
さらに弁護団は、Apple Watchの輸入禁止は、医学研究を妨害する可能性もある主張している。しかし、アップルが直面している問題は、マシモの特許に関わる輸入禁止だけではない。今年2月、ITCはアップルが医療機器メーカー、AliveCorの特許を侵害したことに関して禁止命令を発行したが、上訴を受け現在保留中であるとロイターは報じた。
(forbes.com 原文)