北米

2023.10.27

米国で今年最悪、18人死亡の銃乱射事件 年間の銃撃死者約600人に

米北東部メーン州ルイストンで、銃乱射事件が起きたボウリング場(Scott Eisen/Getty Images)

米北東部メーン州ルイストンで25日夜、銃乱射事件があり、少なくとも18人が死亡、13人が負傷した。米国で今年起きた銃乱射事件としては最多の死者。同国では今年、4人以上が死傷する銃撃事件が500件以上起き、600人近くが死亡している。

地元警察によると、事件はルイストン市内2カ所で発生。犯人はボウリング場で銃を乱射した後、約6km離れたレストランで再び犯行におよんだ。警察は、陸軍予備役兵で銃器インストラクターのロバート・カード(40)を容疑者と特定。カードは26日午後の時点で逃走を続けており、当局は周辺地域の住民に対して安全な場所にとどまるよう呼びかけている。

米非営利団体ガン・バイオレンス・アーカイブ(GVA)によると、今回の事件での死者数は、カリフォルニア州モントレーパークの春節(旧正月)祝賀イベントで1月に起き11人が死亡した銃乱射事件を抜き、今年最多となった。

今年起きた他の銃乱射事件としては、1月にサンフランシスコ近郊で7人が死亡した事件、3月にナッシュビルの小学校で児童3人を含む6人が死亡した事件、5月にダラス郊外のショッピングセンターで5人が死亡した事件などがある。

GVAは、発砲により犯人以外の少なくとも4人が死傷した事件を「大量銃撃事件(mass shooting)」と定義し、集計を行っている。GVAによれば、今年起きた大量銃撃事件は565件で、死者数の総計は597人。このペースが続けば、2023年の年間発生件数は700件に達する可能性がある。

10月26日までの大量銃撃事件発生件数は、2022年の559件(死者545人)と2020年の525件(死者413人)を上回っているが、2021年の585件(死者564人)には達していない。21年の年間発生件数は688件だった。

全米50州のうち、今年に入ってからGVAの定義に基づく大量銃撃事件が発生していないのはアーカンソー、モンタナ、ロードアイランド、サウスダコタ、バーモント、ウェストバージニア、ワイオミングの7州のみ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事