スタートアップ

2023.10.26 18:30

先日、大勢のシリコンバレーのVCが東京に来ていたワケ

先日はシリコンバレーをはじめとする世界中のベンチャーキャピタリストや起業家たちが東京に集まり、独特の活気に溢れていました。

特に注目されたのが、Andreessen Horowitz(a16z)が大勢を引き連れて来日し(600人規模のファームから50〜70人)、MOMENTカンファレンスを開催したことです。他にも様々なファームのイベントで東京の街が賑わっていました。

こうして刺激的な雰囲気の中、数々のグローバルな交流が生まれましたが、同時にいくつかの考察すべき重要な点を残しました。

日本のスタートアップエコシステムに深く関わる者として、私にとっても今回の交流はグローバルプレイヤーとつながる絶好の機会でした。

日本は外部から遮断された「バブル」の中で自己完結しているように感じられる部分もあり、ベンチャーキャピタル界ではそれが特に顕著です。そんな中でシリコンバレーをはじめとした海外の人たちと対話をすることは、窓を開けて新鮮な視点や議論を取り込む良い機会になるのです。実際に私も学ぶことが多く、彼らとのつながりを大切にしています。

しかし、これもやはり対話の中で気づいたのですが、今回来日した人たちの多くは東京を「目的地」というよりも「経由地」として捉えていたようです。おそらく95%くらいの人たちは、日本のスタートアップエコシステムに投資するというよりも、資金調達や観光を主な目的としていたのではないでしょうか。

今回の来日は、単に日本に対する世界的な関心の高まりというよりも、資金調達における風向きの変化を示しています。米国のLP投資家の間では現在、VCファンドへの既存の投資を見直す動きが広まっています。それを受け、米国のVCファームが新たな資金調達先として他国を検討しはじめた結果、中東と並んで「日本」が候補先として浮上してきたのです。
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文=James Riney

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