政治

2023.10.27

訪中のカリフォルニア州知事、習主席と会談 気候問題など協議

中国・北京で、習近平国家主席との会談のために人民大会堂に到着したギャビン・ニューサム・カリフォルニア州知事(Photo by VCG/VCG via Getty Images)

中国の習近平国家主席は25日、米カリフォルニア州で来月開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に先立ち1週間の予定で中国を訪問している同州のギャビン・ニューサム知事と会談した。

11月12日から同州サンフランシスコで開催される首脳会議では、ジョー・バイデン大統領と習主席が会談すると見られている。ここ数カ月で北京を訪問した米国の閣僚には、アントニー・ブリンケン国務長官やジャネット・イエレン財務長官、ジーナ・レモンド商務長官らが含まれている。10月初旬には、チャック・シューマー上院院内総務と共和党のマイク・クラポ上院議員が率いる議員団が北京を訪問した。

同州知事室によると、ニューサム知事は習主席と気候変動対策や経済、文化交流、観光について協議。さらに、香港や新疆ウイグル自治区、台湾における人権侵害や反民主主義的な取り締まり、2006年から中国で拘束されているカリフォルニア州の牧師デビッド・リンについても話したという。一方で新華社通信は、知事がカリフォルニア州と中国との交流を強化し、気候変動や新エネルギーなどの分野でより緊密に協力したいとの意向を表明したと伝えている。

2人の会談は今週、中国の要人30人からなる代表団がニューヨークを訪問し、両国の人的交流をアピールしたタイミングと重なった。そのメンバーには、中国人民銀行の朱民元副総裁や、NBAのスター選手・姚明(ヤオ・ミン)に加え、福耀ガラス会長の曹徳王や泰康保険会長の陳東昇ら富豪が含まれていた。

ニューサム知事は、来年の米大統領選挙でバイデン大統領が出馬を取りやめた場合、候補になる可能性があるとみられている。知事は今後、香港や深圳、広州などを訪問し、上海ではテスラの工場を見学する予定。また、中国の電気自動車(EV)大手BYDをすでに訪問している。

太平洋を挟んで向かい合うカリフォルニア州と中国は、長い間密接な関係にあり、米国に移民した中国人の32%がカリフォルニア州に住んでいる。知事室によれば、中国はカリフォルニア州にとって最大の貿易相手国であり、同州は米国の州で最も多くの中国製品を輸入している。

本誌の米長者番付「フォーブス400」の2023年版では、カリフォルニア州在住の中国系米国人として、Zoom創業者のエリック・ユアンがランク入りした。また、カリフォルニア州に進出している著名な中国企業には、州内でバスを生産しているBYDや検索大手の百度(バイドゥ)、ソーラーパネル大手のLONGi(ロンジ)などが含まれる。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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