生成AIと政治的コンテンツ
主要なAI企業の多くはすでに、政治目的でのAI技術の使用を制限する方針を打ち出している。例えば、アンソロピックは、ユーザーが政治的なロビー活動のためにClaude 2.0を使用することを禁じている。しかし、グーグルは、AIが作成した選挙広告の情報開示を義務づけると述べてはいるが、ユーザーがBardを用いて何らかの政治的コンテンツを作成することを明確に禁止しているわけではない。OpenAIも選挙キャンペーンが特定の有権者層をターゲットにしたコンテンツを作成するためにChatGPTを使用することを禁止していると述べている。しかし、ChatGPTは実際にはそれを制限しておらず、フォーブスが入力したプロンプトに応じて、米国のシングルマザーに向けた民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員への投票を促すメッセージを作成した。
一方、ボットは「幻覚」と呼ばれる、事実とは異なることをでっち上げる傾向があるため、候補者が誰で、どのような政策を推進しているかという基本的な情報をユーザーに提供することですら難しい。
「私たちの目標は、公共サービスを提供することではありません」と、インフレクションの創業者であるスレイマン述べている。彼は「賢明な選択は、そこから身を引くことだと思います」と語った。
しかし、フォーブスが彼の会社のPiに2024年の大統領選挙に出馬する候補者について簡単に説明するよう求めたところ、このボットはその求めに応じ、回答を質問で締めくくった。「共和党と民主党、あるいはそのどちらでもない人のうちの誰に投票しますか?」
Piはその後、各候補の主要な政策を列挙したが、ヴィヴェック・ラマスワミなどの比較的新しい候補者については言及しなかった。さらに質問すると、このボットはラマスワミについてより詳しい情報を提供し、彼が「興味をそそられる候補者」であり「アウトサイダー的なポジションが彼を魅力的な選択肢にする可能性がある」と付け加えた。インフレクションは、候補者に関する情報提供をいつ止めるかについての質問には答えなかった。
他のAI企業は、候補者の情報提供に関して異なるスタンスをとっている。マイクロソフトのBingは、ニュースソースだけに頼る方針で、同社の広報担当者であるアーロン・ヘラースタインは、Bingは2024年の選挙に関する質問には、検索結果の上位にある情報を引用して回答し続けると述べた。
OpenAIやグーグル、アンソロピックは、候補者に関する情報を提供しない方針かどうかという質問に回答しなかった。
(forbes.com 原文)