マウイ島西部の観光をめぐっては先月、ジョシュ・グリーン州知事が10月8日から段階的に再開する方針を表明。しかしビッセン郡長は今週、観光再開計画の最終段階を廃止し、現在まだ立ち入りが制限されているカハナからカアナパリまでの全域で来週から観光を再開すると明らかにした。
火災で焼け野原と化したラハイナでは、複数の地区で引き続き立ち入りが禁止される。
米紙ニューヨーク・タイムズによれば、マウイ島西部ではカアナパリの商業施設ホエラーズビレッジなどが営業を再開したもののテナントが戻らず、ホテルやホリデーオーナーシップ、レンタル事業の稼働率も約30%にとどまっている。
グリーン知事は10月初めの観光再開について、経済復興を後押しし、失業率の急上昇を抑え、飲食店やツアー業者、ホテルの事業継続を支援するために必要だと説明。マウイ島を訪れる観光客は「住民を癒やす手助けをすることになる」と米CBSに語っていた。
英BBCによると、ハワイ州観光局の試算では、火災後にマウイ島への旅行者が減少したことによる州経済の損失額は1日当たり900万ドル(約13億5000万円)に上る。地元の経営者たちは観光客に、島内では買い物やツアー参加、地元サービスの利用など「できる限りのことをしてほしい」と呼びかけている。
一方、住民の一部は観光客の受け入れ再開に反対している。AP通信によれば、島西部の住民3500人は今月初め「精神的にも感情的にも、旅行客を歓迎しもてなす準備はできていない」と訴え、観光再開の延期を求める嘆願書を州知事に提出した。