研究結果は、22分間以上の適度あるいは激しい運動を毎日行うことが、死亡リスクの低下と相関していることを明らかにした。
研究チームは、50歳以上の1万2000人を対象とし、被験者は2年間以上、アクティブトラッカーを装着して観察された。
被験者のうち5943人は毎日座っていた時間は10.5時間未満で、6042人は毎日10.5時間以上座っていた。
死亡記録を調べた結果、平均5年間で被験者の7%となる805人が死亡していた。そのうち357人が毎日10.5時間未満、448人が10.5時間以上座っていた。
毎日の運動時間が22分間未満だった被験者のアクティブトラッカーを分析したところ、1日12時間以上座っていた人は、8時間座っていた人と比べて死亡リスクが38%高かった。
1日に10.5時間以上座っていた人にとって、1日当たり10分間の適度あるいは激しい運動は、35%の死亡リスク減少と相関があった。
研究チームは、4つのグループから得た被験者のデータを用いて、長時間座り続けることと死亡リスクとの相関に、身体的運動が影響をおよぼすかどうか、どれほどの運動量が死亡リスクに影響するのかを調べた。被験者は性別、体重、喫煙歴、アルコール摂取および現在心臓血管疾患、がんあるいは糖尿病にかかっているかなど、研究結果に影響を与えうる因子について詳しく申告した。
本研究の制約の1つとして、運動と座っている時間の測定を繰り返して、時間による変化を観察することができなかったことを研究チームは挙げている。他の影響因子、たとえば被験者の食事や健康状態なども分析に含まれておらず、またアクティブトラッカーは、被験者が行っている運動の種類を常に区別できてはいなかった。
総論として、たとえ短時間であっても、毎日の適度な運動が、長時間座り続けることに関連する死亡リスクを軽減する可能性があるとチームは結論を下している。
「身体的運動を促進する努力は、個人の健康に大きな利益を生む可能性があります」と論文の主著者でノルウェー北極大学のエドヴァード・サゲレフは語っている。
(forbes.com 原文)