国家レベルでの「修理する権利」法は、消費者が正規メーカーが提供するツールと部品を使って安価に自分のデバイスを修理する手助けをし、スマートフォンやパソコンなどの困難で高額な修理プロセスを回避できるようにすることを目的としている。
これまでに同法案が通過したのは、カリフォルニア、ミネソタおよびニューヨークの3州のみだが、アップルは修理用のツールと部品を全米で「適正な価格」で提供する予定だと国家経済会議議長のラエル・ブレイナードが説明した。
修理費用が高いと評判のアップルも、連邦の修理する権利法案を支持することを表明する見込みだ。
カリフォルニア州における「修理する権利」法案は、2021年7月1日以降に販売された電子機器と家電製品に適用され、メーカーは、100ドル以上のデバイスについて、初期生産から7年間、修理部品を提供することが義務づけられる。
「修理する権利キャンペーン」のシニア・ディレクター、ネイサン・プロクターは、見込まれている連邦法に懸念を持っていることをロイターに語り、かつてアップルが修理店に対して、迅速な持ち込み修理のために予備部品を備蓄することを禁止する契約を結ばせ、アップル自身の修理サービスと比べて魅力を低下させようとしたことを指摘した。
修理する権利の擁護派は、この法案は製品が壊れた際、これまでは製品を交換するか、正規メーカーに送って高額な修理を行うか、非正規部品を使用する修理店に行くしかなかった消費者にとって、修理をより低価格で便利にすることを目的とするものだと語った。
修理する権利法は、農業従事者にも恩恵があると環境保護庁副長官のジャネット・マッケイブは語る。今年、農業機器メーカーのジョンディアは、利用者が自分で機器を修理することを支援すると約束し、アメリカファームビューロー連合と合意覚書を交わしたことで、農業従事者は正規メーカーの部品やサービス施設を利用せず、独自に修理する選択肢を与えられたとBBC Newsは伝えた。しかし、修理する権利擁護派は、この覚書を支持することには消極的であることを、モンタナ州農民組合代表のウォルト・シュヴァイツァーがNPR (米国公共ラジオ放送)に伝えている。
(forbes.com 原文)