働き方

2023.10.29

本業と副業のシナジーに役立つ「A面 B面 5メソッド」

2015年、Forbes JAPANが産声を上げて間もないころから続いた人気連載「電通BチームのNEW CONCEPT採集」も今回で一区切り。これまでの総集編として、「A面にB面を生かすための方法」をご紹介。連載開始の8年前と比べて、これを実践できる環境は格段に良くなってきている。今よりもクリエイティブな仕事、クリエイティブな働き方につながる5メソッドをご覧あれ。


この連載を読んでいただいている方々へ、突然ですが2つご報告があります。1つ目は、今回でなんと連載100回目!となりました。本当に皆様のおかげです。そして2つ目。実は、今回が最終回となります。御礼と別れをしみじみと述べたいところですが、最後のコンセプトを紹介する任務を終えてからにしたいと思います。

あらためて説明すると、電通Bチームは本業(=A面)以外に、副業や趣味、前職は違う業界、大学の学科が特殊など、個人的な側面=「B面」をもった社員を集めて組織した特殊チームです。このB面を活用して、これまでと違う案「plan B」のみを提供することに特化して、2014年7月から活動してきました。

いちばんのユニークネスは、やはりこの「B面の活用」。社員の個人的な側面を、本業にコネクトして生かしてきたことです。イノベーションは違う情報の新結合だといわれるように、新しいことを生むには、異物のかけ算が大事。それを本業×社員の個性、つまりA面×B面でやってきた。異物はわざわざ外から探してこなくても、社員が元々もっている。ある意味、社内の知的埋蔵資産を生かしてきたわけです。

しかし、この話を聞いた方の多くの反応は「いいね! そのやり方!」でも「私には無理かな……」「うちの会社では難しいかな……」という感じ。いやいや、難しくないんです。どの組織ででもできる。なぜなら、このシナジーには大から小までいろんな形があるからなんです。その秘密の方法を、最終回に共有します。
A面×B面の5つの方法や実際に生まれた事例は、電通Bチームの著書「仕事に『好き』を、混ぜていく」(翔泳社)により詳しく載っています。

A面×B面の5つの方法や実際に生まれた事例は、電通Bチームの著書「仕事に『好き』を、混ぜていく」(翔泳社)により詳しく載っています。

B面を本業に生かす5つの方法

まず、レベル1。それは「社内への情報提供」。趣味や副業で得た知識を、社内の同僚にシェアする。例えば、ある社員Cさんは日本酒が好きで、趣味で日本酒ソムリエの資格を取った。そんなとき、別の部署で日本酒についてのプロジェクトが始まります。先輩社員DさんがCさんのこの趣味について知り、「お昼ごちそうするからその業界のこと教えて〜!」と依頼。ランチと交換にいろんなことを教えてもらった。このケース、普通にやると、リサーチ会社に依頼し、数十万円払うというコースだったりしますが、Cさんのおかげでサクッと完了。いわばラピッドリサーチ。簡単だけど、かなりの貢献度です。

さて、次のレベル2は「人脈の提供」。B面で知っている有識者を紹介する。日本酒の例で続けると、プロジェクトは進み、有識者が必要に。DさんはCさんに再度相談、日本酒ソムリエの先生を紹介してもらい、良い知見をもらえた。人からの紹介は、適切な人に会う確率も効率も上げますから、これも難しくないけど、お役立ち度は大です。
電通Bチームの2冊目の著書『ニューコンセプト大全(」KADOKAWA)は、この連載の最初の50個のコンセプトをまとめて書籍化した一冊。よろしければぜひお手元に。

電通Bチームの2冊目の著書『ニューコンセプト大全』(KADOKAWA)は、この連載の最初の50個のコンセプトをまとめて書籍化した一冊。よろしければぜひお手元に。


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この記事は 「Forbes JAPAN 2023年12月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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