シュミットは、スティール社やリッターとの関係、そして彼の投資についての質問への回答を拒否した。フォーブスの取材に対し、広報担当のマシュー・ヒルツィックは、シュミットは今後もスティール社を財政的に支援する意向であり、リッターとの関係は事業とは無関係だと付け加えた。
コロンビア大学出身の29歳
米国土安全保障省や法律事務所スキャデン・アープスでの夏季インターンを経て、2021年にコロンビア大学ロースクールを卒業したリッターは、ロースクールの知人からシュミットを紹介されたとフォーブスに語った。米ニューヨーク・ポスト紙は、2人がロマンチックな関係になったのは、彼女が卒業した年に、リチャード・ブランソンのヴァージン・ギャラクティックのロケット打ち上げを見に行ったときのことだと報じている。ブランソンのイベントから数カ月後、2人はマンハッタンのナイトクラブZero Bond(ゼロ・ボンド)で、ニューヨークとロサンゼルスを拠点とするスティール社の立ち上げを発表した。シュミットは後に、この会社が「バーチャルリアリティから宇宙まで、さまざまな分野に投資するAIとアナリティクスの会社だ」と述べていた。
スティール社はこれまで、AI企業のPryonや暗号資産関連のTristero、決済プラットフォームのKeetaなど、12以上の新興企業に少なくとも2000万ドルを投資している。また分散型バンキングプラットフォームのKnox Networksを含む2社を立ち上げており、リッターはイングランド銀行と世界銀行とパイロットプログラムを実施していると主張したが、両者ともコメント要請に応じていない。
2人の元従業員によると、スティール社のスタッフの一部は、2人が交際を始めた後の2021年に設立されたリッターの父親が経営する企業「オーデム・マネジメントLLC」から給与を受け取っていた。同社はシュミットが所有する企業の請負業者で、シュミットが所有する物件にオフィスを置き、執事やハウスキーパーへの給与支払いを管理している。
シュミットはここ最近、ハーバード大学でAIと国家安全保障について講演しており、彼が共同創業したベンチャーキャピタルのイノベーション・エンデバーズは、新たなファンドのために6億ドルを調達した。一方、リッターはインスタグラムで、テニス界のスターのマリア・シャラポワの横でポーズをとっている写真や、ゴルフコースでバラク・オバマと並んでいる写真を投稿している。
シュミットとリッターの代理人は、2人の関係の現状について話すことを拒否した。しかし、ある事情に詳しい人物は「2人が現在、いっしょに過ごす時間は減っている」と語っている。
(forbes.com 原文)