北米

2023.10.24 16:00

アラスカ航空の非番パイロット、フライト中にエンジンを切ろうとする

安井克至

離陸に備えてゲートから移動するアラスカ航空傘下Horizon Airの旅客機(Getty Images)

10月22日、ワシントン州エバレットからサンフランシスコに向かっていたフライトは、コックピットに座っていた非番のパイロットが飛行中にエンジンを停止しようとしたために迂回を余儀なくされた。容疑者は殺人未遂および人命危機をともなう無謀行為など160件以上の罪に問わている。

アラスカ航空グループ傘下のホライゾン航空が運航していた同便は、アラスカ航空の非番のパイロットであるジョセフ・デビッド・エマーソンによる「確実な安全への脅威行為」があったことを報告した。エマーソンは操縦室の補助席に座っていたとアラスカ航空はフォーブスに話した。

非番の同パイロットは「エンジンの作動を妨害しようとしたが失敗した」と同社は語った。飛行機は推進力を失うことなく、最終的に「問題なく」安全を確保し、迂回してポートランドへ向かった。

アラスカ航空によると、乗客らは拘束されており、事件はFBIおよびポートランド空港警察が捜査している。

米国連邦航空局(FAA)は23日、各航空会社に向けた通知で、事件は「現在世界で起きている事象とは、いかなる意味でも関連していない」と語ったとロイターが報じた。

エマーソンがオレゴン州裁判所で課せられた罪状の数は167件となる。マルトノマ郡保安官事務所の活動報告書によると、そのうち83件が重罪である殺人未遂、83件が軽罪である人命危機をともなう無謀行為罪、1件が航空機を危機に晒した罪だ。

「問題発生。コックピット内で男がエンジンを停止しようとしています。彼は何か問題を起こしそうには見えません。おとなしくなったと思います。着陸して駐機したらすぐに警察に来てもらいたい」と同便のパイロットは管制官にいったとNBC Newsは報じている。

旅客機の操縦室の補助シート(ジャンプシートとも呼ばれる)に非番のパイロットが乗ることは珍しくない。航空会社の従業員は、席が空いている便に乗って家に帰ることがよくあるとSeattle Timesは報じ、パイロットたちと話すためにジャンプシートに座ることも多いと付け加えた。しかし、当日のフライトは満席で、空席はジャンプシートだけだったと同紙は伝えている。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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